ブラジルのサンタカリーナ農園で生産されたキャラメラードというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中煎り。まろやかな甘い香りと、すっきりしたコクが楽しめた。
キャラメラード
キャラメラードとは、キャラメルとメラード(蜜)を合わせた造語で、キャラメルと蜂蜜のような甘い香りがすることから名づけられた。メラードはポルトガル語で蜜の意。キャラメルの語源は、ポルトガル語の砂糖菓子(カラメロ=caramelo)に由来する。
生産地
今回いただくキャラメラードの生産地は、ブラジルのナスジェライス州マッタス・デ・ミナス地域。農園はサンタカタリーナ農園。
『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』によると、マッタス・デ・ミナス地域は、「早くからコーヒー栽培が定着した地域で、農業収入のうち 80パーセントはコーヒーが占める。急な斜面もあり凹凸のある土地柄、主に手摘み収穫が行なわれる。小規模農家が歌会地域だが[中略]素晴しいコーヒーを生産する農家は多い」(※1)という。
※1 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「ブラジル」203頁
豆の特徴
豆は大粒。豆の大きさ(スクリーンサイズ)は、16~18(普通サイズから大粒)。ブラジルでは輸出できるのは、スクリーンサイズが 16以上とされている。粒は肉厚で形もそろっている。焙煎度は中煎りなので、焦げ茶色をしている。
品種
品種はムンドノーボ。カツアイが少々混ざっている。
ムンドノーボはブラジルで広く栽培されている品種で、病気に強く収穫量が多いのが特徴。カツアイもブラジルで広く栽培されている品種で、ムンドノーボと同様、収穫量が多い。枝から落ちにくく強風や大雨に強い。ムンドノーボよりも低木なので、密集栽培に適している。
ハンドドリップ
マスターがキャラメラードをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中煎りなので、粉の膨らみは、深煎りのようなモコモコ感はないが、きれいに膨らんでいく。
味の感想
ひとくちめは、すっきりしたコクを感じた。
甘味・酸味・苦味のバランスがいい。後半は、まろやかな甘味が突出してきた。キャラメルのような甘味はそれほど感じなかったが、蜂蜜を思わせる香りがして、いつまでも口の中に心地よい甘味が続いた。
ひとことでいうと「まろやかな甘味のコーヒー」だった。
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ノリタケ フィッツジェラルド グリーン
カップ&ソーサーは、ノリタケのノリタケ フィッツジェラルド グリーン(FITZGERALD)4712。材質はボーンチャイナ。金の浮き彫りと大理石調のつやのある緑色とが重厚な風格をかもしだし、ぜいたくなコーヒータイムが楽しめる。
後記
ブラジルは生産量世界一を誇るコーヒー大国。産地や品種の特性を重視したスペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質の豆も数多い。実際に飲んで本ブログでも記事にしたブラジルのスペシャルティコーヒーを 3銘柄紹介する。
山口農園
ブラジル・ミナスジェライス州セラード地域の山口農園で栽培されているコーヒー。農園は山口カルロス彰男氏と日系人生産者・中尾家が共同で経営。ブルボンと呼ばれる品種をブラジルの伝統的な製法である自然乾燥で精製している。
ブラジル・山口農園産のコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中深煎り。カップはノリタケのヨシノ。日本人の生産者がブラジルの農園で、伝統的な製法にこだわって仕上げたコーヒーは、なんともやさしい味がした。
極上完熟豆 晩秋摘み
熟したコーヒーの実を木につけたまま乾燥させてから収穫するコーヒー。収穫された豆は甘味が増すといわれている。ブラジル・ミナスジェライス州セラード地域で栽培されている。
ブラジルのセラード地区で収穫された樹上完熟豆・晩秋摘みというコーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中深煎り。カップ&ソーサーはノリタケのジョージアンパレス。やわらかな風味というか、控えめな味のおいしいコーヒーだった。
カフェヴィーニョ
ブラジル・ミナスジェライス州セラード地域のフォリャードス農園で栽培されているコーヒー。銘柄名の「ヴィーニョ」(Vinho)はポルトガル語で「ワイン」のこと。ワインのような香りがするのでヴィーニョと名づけられた。
ブラジル産のカフェ・ヴィーニョという銘柄のコーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中深煎り。赤ワインを思わせるフルーティーな香りと、まろやかな甘みとコクが特徴のコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.