天空の森というニューギニア産のコーヒー(別名・修道院のコーヒー)をなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中深煎り。飲んだ味の感想は、まろやかなコクがあって、すっきりした飲みやすいコーヒーだった。
天空の森
天空の森の生産地は、パプアニューギニアのマウント・クボー地区ハセン村。ハセン村は、生活するには困難な僻地にあり、キリスト教の修道会がコーヒー作りを指導し、村の生活を支えてきたという。そのためこのコーヒーは「修道院のコーヒー」とも呼ばれている。
「天空の森」の名は、ハセン村が眼下に雲海が広がる高地にあることに由来する。
コーヒー豆の収穫時には、村人総出で手摘みをするそうだ。(※1)
※1 セラード珈琲「天空の森~修道院」(https://www.cerrad.shop/view/item/000000000088?category_page_id=ct34)(2023年3月18日閲覧)
豆の特徴
豆は比較的大粒。肉厚で粒の形もよくそろっている。焙煎度は中深煎り(一ハゼ手前)。色は焦げ茶色。日本の伝統的な色だと璃寛茶(りかんちゃ)に近い。
豆の品種は、ティピカとブルボン(※2)。収穫方法は手摘み。精製処理方法は水洗式(ウォッシュド)と天日乾燥。
※2 ティピカとブルボンは、ともにアラビカ種から派生した品種。ティピカは、エチオピア原産で「在来種」といわれるもっとも古い栽培品種。ブルボンは、ティピカがブルボン島(現レユニオン島)で突然変異して生まれた品種。
ハンドドリップ
マスターがハンドドリップする様子をカウンター席で観察。フィルターに入れられたコーヒー粉は13グラム。粒度(りゅうど)は中挽き。
抽出|2湯目前半
1湯目で、粉全体を蒸らしたあと、細くゆっくり 2湯目が注がれる。コーヒーのうまみが、じわじわっと抽出されていく。
マスターによると「1湯目で味わいの芯がつくられ、2湯目で味の厚みや奥行きが生まれる」とのこと。
抽出|2湯目後半
2湯目の後半。粉がきれいに膨らんでいく。コーヒーの濃厚なエキスがしっかりと抽出されていくのが分かる。
自分が注文したコーヒーが抽出されていく様子を眺めるのも楽しい。
味の感想
ひとくちめはすっきりとしたコクを感じた。香りは上品。甘味・酸味・苦味のバランスもいい。ほどなくするとまろやかなコクも出てきた。
天空の森(修道院のコーヒー)は、焙煎度を深煎り近くまでもっていくと、スパイシーな香りが出でくるそうだが、今回いただいた中深煎り入口では、ピリッとくるようなスパイシーな香りは感じなかった。
ひとことでいうと「すっきりした味わいのコーヒー」だった。
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ノリタケ ハンプシャー プラチナ
カップ&ソーサーは、ノリタケのハンプシャープラチナ(HAMPSHIRE PLATINUM)4336。シンプルなデザインでありながら、パール調のカラーが優雅さをかもしだしている。
後記
今回いただいたのはニューギニアの「天空の森」(修道院のコーヒー)というコーヒーだが、過去、ニューギニアの別のコーヒーも二銘柄飲んだ。
パプアニューギニアAA
ニューギニア・西部高原地域の中心地、マウントハーゲン付近で生産されたパプアニューギニアAAは、ニューギニアのコーヒーを代表する高級豆。
中深煎りは、酸味・苦み・甘みのバランスがよく、まろやかコクとミルクチョコレートのような甘みが特徴。深煎りだと、やわらかな苦みとダークチョコレートのような甘みに変わる。中深煎り、深煎りともに、心地よい余韻が楽しめる。
パプアニューギニアのコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。コーヒー豆の等級は「AA」。焙煎度は中深煎り。飲んだ感想は、酸味・苦味・甘みのバランスがよく、芳醇(ほうじゅん)な香りが楽しめた。
パプアニューギニア ブヌンウー農園
ニューギニア・西部高原地域のマウント・ハーゲン地区の東部にある「プヌン・ウー農園」で生産されたコーヒー。豆の発酵、水洗、乾燥、最終のコンテナ詰めに至るまで、徹底した品質管理がなされている。
ブヌンウー農園のコーヒーの特徴は「品のよさ」。すっくりしたコクと上品な香り。ミルクチョコレートとダークチョコレートの中間のような甘みが楽しめる。
パプアニューギニアのブヌン・ウー農園で生産されたコーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中深煎り。飲んだ味の特徴は、甘味・酸味・苦味のバランスがよく、すっきりした飲みやすいコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.