ハイチ産コーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。豆の焙煎度は浅煎りで。カップ＆ソーサーはノリタケのヨシノ（YOSHINO）。味の特徴はやわらかな味とのこと。楽しみだ。

ハイチコーヒー

ハイチコーヒー

ハイチ産コーヒーの生産量はひじょうに少ない。そのためエチオピアのイルガチェフェとかカファなどのように、生産地域ごとにブランド化はされていない。
 
『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典』（※１）によると「ハイチで生産されたコーヒーは、ほぼ国内で消費されてしまうため、輸出に回る量はほんのわずかだ」という。

※１ ジェームズ・ホフマン／丸山健太郎監修（2020）『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「ハイチ」,p.237.

豆の特徴

ハイチコーヒー｜浅煎り

豆の形や大きさは比較的整っている。今回の生豆は浅煎りで焙煎しているので、色は枯れ色というか、薄い茶色を帯びている。マスターの話によると「ハイチのコーヒー豆は浅煎りが適している」とのこと。

ハンドドリップ

ハイチコーヒーをハンドドリップ

マスターがハンドドリップする様子を写真に撮った。浅煎りのコーヒーは深煎りや中深煎りよりも慎重にお湯を注ぐ。深煎りの場合は 3回ほどお湯を注ぐが、浅煎りの場合は 6回から7回ぐらいに分け、ていねいにお湯を注いでいく。
 
マスターの腕の見せどころのひとつだ。

味の感想

カウンター席

はじめていただく浅煎りのハイチ産コーヒー。ひとくちめを飲んだ瞬間、アーモンドというか、ナッツというか、そんな香りがした。人によっては、土くさいと感じるかもしれない。かすかな酸味もある。
 
冷めてくると、ハイチコーヒーの特徴と言われている「やわらかな甘み」が出てきた。
 
ハイチは希少価値を楽しむコーヒーなのかもしれない。
 
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ノリタケ YOSHINO ヨシノ

ノリタケ YOSHINO ヨシノ

今回のカップ＆ソーサーは、ノリタケのヨシノ（YOSHINO）を選んだ。
 
「ヨシノ」は、桜の名所として知られる奈良県・吉野山（よしのやま）から命名された。「カップに咲き誇る花々は吉野山の桜、ソーサーの緑色は裾野の緑をイメージ」（※２）している。

※２ Noritake ヨシノ アメリカンカップ＆ソーサー（https://tableware.noritake.co.jp/c/series/s_BoneImari/series_026/4975946074773）（2022年11月8日閲覧）.

藤原清家（ふじわらのきよいえ）のように「吉野山 八重たつ峯の 白雲に かさねてみゆる 花桜かな」と、一句しゃれこみたいところだが、歌心はまったくないので、ハイチコーヒーを飲みながら、吉野山の桜に思いをはせた。

後記｜ハイチのコーヒー事情

生け花とコーヒー

ハイチのコーヒー事情を調べた。（※３）

世界に誇るコーヒー産地だった

そもそもハイチはコーヒーの産地として有名だった。18世紀ごろは、世界に流通していたコーヒーの 50～60％を生産していたという。その後、19世紀初頭（1804）の革命以後、国内の政治情勢が混乱。国際社会からも孤立してしまった。

政治的混乱でコーヒー産業は衰退

一時（1850年に）は、世界のコーヒーの三分の一を生産するまでに回復の兆しを見せたが、デュバリエ独裁政権（1957～1986年）のときに、国際社会から経済制裁を受け、国の困窮とともにコーヒー産業も衰退していった。

自然災害も追い打ちをかけた

2008年9月。ハリケーンによって、国内総生産の約15パーセントに相当する損失を被った。2010年には大地震がハイチを襲い、衰退の途にあったコーヒー産業は壊滅的なダメージを受けた。700万ドルだった生産高が、100万ドルまでに激減。2016年10月のハリケーン・マシューでは、国の収穫物の90パーセントが被害を受けたという。

※３ 参考にした文献は本記事の末尾で「参考資料」として表示

関連記事｜ハイチ・カリビアンブルー
シナモンローストで焙煎したカリビアンブルーというハイチのコーヒーを飲んだ。
https://happy-kenchan.com/caribbean-blue-coffee/
カリビアンブルーというハイチ産のコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度はシナモンロースト（中浅煎り）。ナッツ系の風味とトロピカルフルーツを思わせる酸味が特徴のコーヒーだった。
自家焙煎コーヒー豆

自家焙煎コーヒー豆

今回取材した越谷市下間久里（しもまくり）の自家焙煎珈琲店・珈家（かや）では、焙煎したコーヒーも販売している。焙煎度は、深煎り・中深・中煎り・浅煎り。人気の豆は焙煎したその日のうちに売り切れてしまうこともある。

写真撮影

本取材での写真撮影は珈家のマスターの許可を得て行なった。

自家焙煎珈琲　珈家～Kaya～
https://r.goope.jp/kaya
珈家は、２０１５年３月１日（日）に埼玉県越谷市にてオープンしたコーヒー専門店（コーヒーの提供＆焙煎豆の販売）です。生家が農家であるというロケーションを生かしながら、自宅横の家屋を改築し古民家カフェを開きました。皆様のご来店を心よりお待ちしております。

参考資料

・成美堂出版編集部（2015）『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部（2017）『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン／丸山健太郎監修（2020）『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・外務省（2021）「ハイチ基礎データ」（https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/haiti/data.html#section4）（2022年11月8日閲覧）.
・Noritake ヨシノ アメリカンカップ＆ソーサー（https://tableware.noritake.co.jp/c/series/s_BoneImari/series_026/4975946074773）（2022年11月8日閲覧）.