コロンビア産エメラルドマウンテンコーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中煎り。カップ&ソーサーはウェッジウッドのサンモリッツ。エメラルドマウンテンは上品な甘みと深いコクが特徴のコーヒーだった。

エメラルドマウンテン

エメラルドマウンテン

エメラルドマウンテンはコロンビアの最高級コーヒー豆。コロンビア国内で収穫されるコーヒー豆の中で、厳選されたわずか 1%未満の豆だけが「エメラルドマウンテン」として認定される。

名前の由来

エメラルドマウンテンというのは山の名前ではない。ジャマイカのブルーマウンテンは実在する山から命名されているが、エメラルドマウンテンは違う。
 
コロンビアはエメラルドの産地としても世界的に名高い。「宝石のような希少価値を持つ高級豆だけが、コロンビアの至宝エメラルドとアンデス山脈にちなみ、エメラルドマウンテンと呼ばれます」(※1)

※1 エメラルドマウンテン公式サイト「エメラルドマウンテンとは」(https://emeraldmountain.jp/emeraldmountain/)(2022年12月11日閲覧).

略称

エメラルドマウンテンは略称「エメマン」と呼ばれる。
 
余談だが、先日、地元のセブンイレブンでブルーマウンテンブレンドを買ったときに、レジで、若い(おそらく10代後半の)女性店員さんに「ブルマン」をお願いしますと言ったら「豚まんですか?」と聞き返されて、ひっくり返りそうになった。

コロンビアのコーヒー事情

SCAJ2022 コロンビアのブース

SCAJ2022 コロンビアのブース

コロンビアのコーヒー豆生産量は、ブラジル、ベトナムに次いで世界3位。生産から流通までをコロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)が管理しているので、高品質な豆が安定して提供されている。

コーヒーの歴史

ジェームズ・ホフマン(2020)は、コロンビアのコーヒーの歴史について、次のように述べている。

諸説あるが、コーヒーをコロンビアに初めて持ち込んだのはイエズス会で、1723年のことだったという。商品作物として国内のさまざまな地域へ徐々に広まったが、19世紀末まではそれほど重要な作物ではなかった。1912年には、コーヒーはコロンビアの輸出総額のおよそ50%を占めるまでになった。

※2 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「ブラジル」p.204.

豆の特徴

エメラルドマウンテン|中煎り

豆の大きさは普通。とてもきれいな豆だ。コロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)が管理しているだけあって、粒と形もよくそろっている。豆の品種はアラビカ種。
 
中煎りなので色は煙草色(たばこいろ)というか薄茶色をしている。顔を近づけると甘い香りがただよってくる。これはまちがいなくおいしい。期待が高まる。

ハンドドリップ

マスターがハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中煎りなので深煎りのような粉の膨らみはないが、ゆっくりときれいに膨らんでいく。マスターの腕の見せどころだ。

味の感想

エメラルドマウンテンをウェッジウッドのカップでいただく。

ひとくちめは上品な香りが鼻から抜けた。ナッツのような香ばしさだ。中盤になると、ほどよい酸味とまろやかなコクが出てきた。すっきりした、というか、透明感のある風味だ。後半になると、ドライフルーツのような甘みに変わった。
 
ひとことでいうと「上品なコーヒー」だった。



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ウェッジウッド サンモリッツ

ウェッジウッド サンモリッツ

カップ&ソーサーは、イギリスの老舗陶器ブランド・ウェッジウッドのサンモリッツを選んだ。清楚で美しい白を基調とし、プラチナの縁取りと淡いグレーで花模様が施された気品あふれるデザイン。王侯貴族になったような気分になれる。

後記

SCAJ2022(東京ビッグサイト)

2022年10月13日。東京ビッグサイトで行なわれたアジア最大のコーヒー見本市(SCAJ2022)に行ってきたが、出展していたコーヒー産地の国別ブースの中で、いちばん好感度が高かったのは、コロンビアのブースだった。
 
業界人ではないボクにも親切に対応してくれ、いろいろ説明をしてくれたうえに、コーヒーの試飲までさせてくれた。以来、ボクは、行きつけの自家焙煎珈琲店で、コロンビア産のコーヒー(エメラルドマウンテン)を注文する回数が増えた。

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取材場所

本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.