パナマ産ゲイシャコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は浅煎り。カップ&ソーサーはノリタケのアイラプラチナ・シルバー。ゲイシャは、柑橘系の香りが鼻から抜ける上品なコーヒーだった。

ゲイシャ

ゲイシャコーヒー

今回いただいたコーヒーは、パナマ産のゲイシャ。プルーマウンテンやハワイコナと並ぶ高級豆として近年、注目を浴びている。ちなみに「ゲイシャ」の名は、日本の「芸者」(げいしゃ)とは何の関係もない。

ゲイシャあれこれ

ゲイシャについて、『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典』(※1)から該当箇所を以下、引用、抜粋して紹介する。

ゲイシャはエチオピア西部にある町の名前にちなんだ品種で、「Geisha」と「Gesha」のどちらが正しいアルファベット表記か意見が分かれているが、前者のほうが一般的。コスタリカからパナマへと伝わった品種だが、起源はエチオピアだと考えられている。[中略]近年需要が高まり、価格が急騰している。
 
傑出した個性が評価され、2004年に[中略]オークションで異例の高値で[中略]落札された。記録的な落札価格は、2006年、2007年と続けて更新された。[中略]一般的なコーヒーのおよそ100倍の価格である。これがきっかけで、中南米の生産者の多くがこの品種(ゲイシャ)の栽培を始めた。

※1 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「ゲイシャ」p.24.

豆の特徴

ゲイシャ|浅煎り

豆の栽培品種はゲイシャ種。アラビカ種の一品種。名前の由来はエチオピアのゲイシャという地区に自生していたことから。豆の等級は最上位に格付けされている「SHB」(エス・エッチ・ビー)。今回は浅煎りで焙煎しているので、豆の色は丁子色(ちょうじいろ)というか、薄い茶色を帯びている。

ハンドドリップ

マスターがゲイシャをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。カウンター席で見ていると、自分でも簡単に淹れられそうな気もするが、深煎りや中深煎りと違って、浅煎りの淹れ方はかなり技術を要する。マスターの腕の見せどころのひとつでもある。

味の感想

パナマ産ゲイシャコーヒー

まずはひとくち。柑橘系の香りが鼻から抜けた。ゲイシャの香りは「紅茶」にたとえられることが多いが、微糖のレモンティーを思わせる酸味と甘みを感じる。酸味系といっても、イルガチェフェのようなパンチのある酸味ではない。すっきりした酸味だ。
 
ひとことでいうと「上品な酸味系」のコーヒーだった。



無料でコーヒー診断

ノリタケ アイラプラチナ シルバー

ノリタケ アイラプラチナ シルバー

カップ&ソーサーは、ノリタケのアイラプラチナ 4897)。色はシルバーを選んだ。白地にシルバーで描かれた草花と実の美しいデザインが、なんとも上品。ゲイシャの上品さとも相性もぴったりのカップ&ソーサーだ。

後記

生け花とコーヒー

ゲイシャコーヒーといえば、2004年に行なわれた国際オークションで、パナマのエスメラルダ農園のゲイシャ種に史上最高の高値が付いたことで、一躍有名になった。日本でも1杯1万円で提供されたニュースも記憶に新しい。
 
浅煎りのゲイシャは、深煎りが好きなヒトにはものたりないかもしれないが、酸味系の好きなヒトにはおすすめしたいコーヒーだ。

続・後記|ゲイシャアイス

ゲイシャアイスコーヒー

後日、ゲイシャをアイスコーヒーでいただいた。ホットよりも甘みと酸味の香りをより強く感じた。色もコーヒーというよりは紅茶だ。
 
今回、取材させていただいた越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)では、店で提供しているコーヒーは、どれでも注文に応じて、アイスコーヒーでも淹れてくれる。
 
一杯目はホットで、二杯目はアイスで、というぜいたくな飲み方もできるのがうれしい。

あなたの好みのコーヒーを診断




まだ味わったことのないコーヒーと出会える

取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及び動画の撮影は珈家のマスターの許可を得たうえで行なった。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.