モンスーンという銘柄のインド産のコーヒーを深煎りでいただいた。場所は気心の知れた店主が営む自家焙煎珈琲店。カップはノリタケのシグニチャー・ゴールドを選んだ。黄金コーヒーの異名をとるモンスーン。どんな味を楽しませてくれるのか。

インド産モンスーンコーヒー

インド産モンスーンコーヒー

モンスーンとは、インド洋北西部に見られる年交代で吹く季節風のこと。貿易風とも呼ばれる。インドが植民地時代、コーヒー豆をヨーロッパへ輸出するには、木箱に入れて船便で半年ほどかかった。
 
モンスーン(貿易風)の吹く期間、二か月にわたって雨にさらされ、多量の湿気を吸収したコーヒー豆が、黄金色に変化し、今までにない強い香りに変わった。これが輸出先のヨーロッパで人気となり、モンスーンコーヒーまたは黄金コーヒーと呼ばれるようになった。

モンスーン処理

現在、インドの「モンスーン」と呼ばれる銘柄のコーヒー豆は、ナチュラル(水洗いしない)で精製された豆を麻袋に詰めて、二か月近くモンスーンにさらし、適度な水分を含ませて精製している。これを「モンスーン処理」と呼ぶ。

豆の特徴

モンスーン|深煎り

豆の形は均一。きれいにそろっている。深煎りで焙煎されているので、焦げ茶色に黒光りしている。黄金色をしていた生豆の面影はない。焙煎して七日目なので、コーヒーオイルも出始めている。飲みごろだ。

ハンドドリップ

マスターがハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。深煎りなので粉もきれいに膨らんでいく。これは間違いなく期待できる。こうしてカンター席からマスターがハンドドリップする姿を眺めるのも楽しい。

味の感想

カウンター席

淹れたてのモンスーンコーヒー、まずはひとくち。苦味がガツンときた。荒々しい苦みと言ってもいいかもしれない。時間が過ぎるにつれてコクのある旨みが出てきた。最後はダークチョコレートのような甘みに変わった。甘みにコクがある。
 
ひとことで言うと「コクと力強さのあるコーヒー」といったところか。
 
モンスーン処理をしたコーヒーについては、業界でも意見が分かれるようだ。『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edifion』(ジェームス・ホフマン、2020)によると、「モンスーンコーヒーのコクや力強さが好きな人もいれば、[……]とても味が悪いと考える人もいる」(※1)という。

※1ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.p165.




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ノリタケ シグニチャー・ゴールド

ノリタケ シグニチャー・ゴールド

黄金コーヒーとも呼ばれるモンスーンコーヒーをいただくので、カップは、黄金色の縁取りが施された、ノリタケのシグニチャーゴールドを選んだ。モンスーンコーヒーの荒々しい苦味とコクを味わいながら上品なコーヒータイムが楽しめた。

後記

生け花とコーヒー

インドといえば、コーヒーよりは紅茶のイメージが強いが、意外や意外、インドのコーヒー生産量は世界8位(※2)で、ひとり当たりの年間消費量は 100グラム(※3)。

※2 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2022年10月28日閲覧).

※3 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.p164.

コーヒー消費量日印比較

コーヒー消費量を 1杯10グラムで換算すると、インドはひとり当たり年間10杯、日本は、2020年の統計で、ひとり当たり年間530杯(※4)のコーヒーを飲んでいる。一日 1.45杯、二日で 3杯飲んでいる計算になる。
 
日本人もけっこうコーヒーを飲んでますね。

※4 農林水産省「コーヒーの消費量をおしえてください。」(https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0008/06.html#:~:text=2019%EF%BC%88%E4%BB%A4%E5%92%8C%E5%85%83%EF%BC%89%E5%B9%B4,%EF%BC%89%E3%81%AF%E3%80%8111.53%E6%9D%AF%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)(2022年10月28日閲覧).

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取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及び動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。

参考資料

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.