エチオピア産のイルガチェフェという銘柄のコーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中深煎り。カップはノリタケのジョージアンパレス。近年、人気が出てきたというイルガチェフェ。どんな味わいなのか。楽しみだ。
エチオピア産イルガチェフェ
イルガチェフェというのは、エチオピアのシダモ地方の中にあるイルガチェフェ地区で産出されるコーヒー豆のこと。品種ではない。地名だ。
近年、イルガチェフェの評価は高まりつつある。
『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edifion』(ジェームス・ホフマン、2020)では、イルガチェフェの魅力について書かれている。以下引用。
イルガチェフェは、間違いなく最も素晴しく、興味深いコーヒーの産地である。イルガチェフェで栽培された良質のコーヒーは最高級品質で、その風味はコーヒーというよりも、アールグレーの紅茶に近いと感じる人もいる。絶対に試してみる価値がある。
引用元:エチオピア・イルガチェフェ(※1)
※1ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.p137.
「絶対に試してみる価値がある」か。これは期待がもてそうだ。
豆の特徴
豆の形もきれい。現地でていねいに処理されたのが伝わってくる。今回は、シティローストと呼ばれる中深煎りの入口で焙煎されているので、薄い焦げ茶色をしている。
コーヒー麻袋
日本からおよそ 1万キロ。エチオピアから船便で届いたイルガチェフェの生豆が入った麻袋。ひと袋60キログラム。重さ60キロのコーヒー麻袋を二袋、トラックの荷台からおろして担いでお店まで届けてくれた宅配便のドライバーさんにも感謝しないとバチが当たる。
今回いただいたイルガチェフェは、この麻袋に入っていた生豆を焙煎したもの。
焙煎機
この自家焙煎珈琲店では、マイスター 2.5 というコーヒー焙煎機を使っている。
ハンドドリップ
マスターがハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中深煎りなので粉もきれいに膨らんでいく。自分がこれからいただくコーヒーができあがっていくのをこうして眺められるのはカウンター席の特権。
味の感想
淹れたてのイルガチェフェ中深煎りコーヒー、まずはひとくち。ほのかな苦味。上質な苦味だ。ほどなくして、香りのいい酸味が出てきた。風味がいい。冷めてくると、最後はダークチョコレートのような甘みになった。苦味・酸味・香り・甘み、ともに上質。
ひとことで言うと「上質な味わいが楽しめるコーヒー」といったところか。
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ノリタケ ジョージアンパレス
カップは、ノリタケのジョージアンパレスをリクエストした。白地に金糸のデザインが施された上品で高級感あふれるカップ&ソーサー。イルガチェフェの上質な味わいをさらに引き立たせてくれる。
優雅なコーヒータイムが満喫できた。
後記
今回いただいたコーヒーはイルガチェフェ。日本では、イルガチェフェのほかに、イルガシェフェ、イルガチャフェ、イルガチェフ、イルガチェッフェ、イルガチョフ……など、さまざまな表記で紹介されている。
現地ではなんと発音されているのだろうか。調べてみた。スペシャルティコーヒー専門店コーヒー・ア・ゴー!ゴー!のホームページでは、以下のように綴られている。以下、引用。
現地の人の言葉を口を見つめて、じっと聞いてみました。「イルガチャフェ」と間違いなくいってますね。綴りが Yirga Cheffe なので、日本では「イルガチェフェ」で良いと思います。
引用元:エチオピア-イルガチェフェを訪れて(※2)
※2 スペシャルティコーヒー専門店コーヒー・ア・ゴー!ゴー!「エチオピア-イルガチェフェを訪れて」(https://coffee-a-gogo.net/yirga-cheffe/)(2022年10月30日閲覧).
本記事でも「イルガチェフェ」(Yirga Cheffe)で統一している。
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今回飲んだイルガチェフェと並んでエチオピアで評価が高いのがグジ。グジ・コーヒーについては本ブログの別記事で紹介しています。
エチオピア産のグジ・コーヒーをなじみの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は浅煎り。カップ&ソーサーはノリタケのホワイトパレス。酸味・香り・コク……。どれも上品な風味が特徴のコーヒーだった。
取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。
参考資料
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・スペシャルティコーヒー専門店コーヒー・ア・ゴー!ゴー!「エチオピア-イルガチェフェを訪れて」(https://coffee-a-gogo.net/yirga-cheffe/)(2022年10月30日閲覧).