イルガチェフェ・ブナブナという銘柄のコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。産地はエチオピア。焙煎度は中煎り。味は香りが強いのが特徴。フルーツの酸味とチョコレートを思わせる甘みが楽しめた。
イルガチェフェ・ブナブナ
ブナブナのブナ(Buna)は、アムハラ語(エチオピアの公用語)で「コーヒー」のこと。販売元の US FOODS によると、銘柄の「ブナブナ」には、二つの願いが込められているという。
イルガチェフェが、これから先の未来も魅力あるコーヒーの産地であり続けてほしい。また、このコーヒーを世界中に広く愛されて続けてほしい。という二つの願いが「Bunabuna(コーヒーコーヒー)」という商品名に込められています。
出典:US FOODS
イルガチェフェ
なおイルガチェフェというのは、エチオピアのシダモ地方の中にあるイルガチェフェ地区で産出されるコーヒー豆のこと。品種ではなく地名。
日本では、イルガチェフェのほかに、イルガシェフェ、イルガチャフェ、イルガチェフ、イルガチェッフェ、イルガチョフ……など、さまざまな表記で紹介されているが、本記事では「イルガチェフェ」(Yirga Cheffe)で統一する。
豆の特徴
豆の精製方法は「ナチュラル」。収穫したコーヒーの実を水を使わずに乾燥させて脱穀する方法。「乾燥式」とも呼ばれる。豆は大粒。今回は、中煎りで焙煎されているので、色は薄い焦げ茶色をしている。日本の伝統色でいえば「江戸茶」(えどちゃ)に近い。
ハンドドリップ
マスターがハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。イルガチェフェ・ブナブナは、中煎りなので、深煎りと比べると粉のふくらみは弱いが、ゆっくりと均等においしそうなエキスが抽出されていく。これはうまそうだ。
味の感想
まずはひとくち。香りが強い。ブルーベリーのような酸味だ。このフルーティーな酸味は、エチオピア・モカ系の特徴ともいえる。
後半は、チョコレートを思わせるコクのある甘みが出てきた。香りの強さは変わらない。酸味と甘みは、ともに上質。
ひとことで言うと「香りが強いコーヒー」だった。
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ノリタケ トゥーラックノワール
カップは、ノリタケのトゥーラックノワール(TOORAK NOIR M-218)。白地に黒と銀のストライプが施された上品なカップ&ソーサー。上質なコーヒータイムを満喫できた。
後記
今回いただいたイルガチェフェ・ブナブナの「ブナ」(Buna)は、アムハラ語(エチオピアの公用語)で「コーヒー」のことだと上述した。ちなみに、世界各国では、コーヒーはどんな呼び方をされているのか。
コーヒー豆生産量国別ランキング30か国(※1)を調べてみた。
世界各国のコーヒーの呼び方
- ブラジル…カッフェー
- ベトナム…カフェー
- インドネシア…コーピー
- コロンビア…カフェ
- エチオピア…カフワトン
- ホンジュラス…カフェ
- ウガンダ…カハッワ
- ペルー…カフェ
- インド…コーフィー
- グアテマラ…カフェ
- メキシコ…カフェ
- ニカラグ…カフェ
- ラオス…カフェー
- コートジボワール…キャッフィ
- 中国…カーフェイ
- コスタリカ…カフェ
- タンザニア…カハッワ
- フィリピン…コーピー
- ベネズエラ…カフェ
- コンゴ民主共和国…キャッフィ
- マダガスカル…カフェ
- パプアニューギニア…コーフィ
- ギニア…カッフェー
- カメルーン…キャッフィ
- ケニア…カハッワ
- エルサルバドル…カフェ
- タイ…カーフェー
- ボリビア…カフェ
- イエメン…カフワ
- ハイチ…カフェ
※1 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年5月22日閲覧).
関連記事
今回飲んだコーヒーは、エチオピアのシダモ地方イルガチェフェ地区で収穫されたブナブナという銘柄だか、通常の「イルガチェフェ」と呼ばれている豆よりも高品質と評されている「ベレカ」というコーヒーがある。
ベレカについては本ブログの別記で紹介している。
浅煎りで焙煎したエチオピアのベレカというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。レモンティーのような酸味とハチミツを思わせるほのかな甘味が楽しめた。香りが際立つコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.