浅煎りで焙煎したエチオピアのベレカというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。レモンティーのような酸味とハチミツを思わせるほのかな甘味が楽しめた。香りが際立つコーヒーだった。
エチオピア・ベレカ
ベレカ(Bereka)というのはエチオピアの言葉で「尊敬」の意。シダモ地方イルガチェフェ(※1)地区で生産されている。通常の「イルガチェフェ」と呼ばれている豆よりも高品質であることから「ベレカ」(尊敬)の名称が付けられている。
※1 エチオピアの南部諸民俗州ゲデオ県イルガチェフェ郡。高品質なコーヒー豆の生産地として知名度が上がっている。
豆の特徴
豆の等級は「G1」。エチオピアでは、コーヒー豆を G1(グレード1)から G8(グレード8)の 8段階に等級分けしている。遺物の混入率や形の悪い豆が少ない(欠点数が少ない)ほど等級が高い。輸出できるコーヒー豆は G1 から G5 の等級まで。
豆はウォッシュド(※2)と呼ばれる方法で処理されている。浅煎りで焙煎しているので、色は枯れ色というか、薄い茶色を帯びている。
※2 水洗式とも呼ばれる。収穫した果実を大きな水槽に入れ、石などの沈殿物や水に浮かぶ過熱果実などを取り除いてから果肉除去器にかけて果肉を除去する方法。
粉の状態
上の写真は電動ミルで挽いたベレカ。粉の状態もいい。ベレカ特有の上品な酸味と、ほのかな甘味が香っている。
ハンドドリップ
マスターがベレカをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。浅煎りなので、粉の膨らみは弱いが、いい香りが漂ってくる。
味の感想
浅煎りで焙煎した淹れたてのベレカコーヒー。まずはひとくち。酸味が強い。レモンティーのような酸味だ。香りがきわだっている。パンチの効いた、というよりも上質な香りだ。
ほどなくすると、酸味の中にほのかな甘味が出てきた。甘味はハチミツを思わせる。酸味とバランスがいい。飲み終わると紅茶のような香りが口の中に残った。
ひとことで言うと「香りが楽しめるコーヒー」だった。
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ノリタケ H-804 いちご柄
カップ&ソーサーは、ノリタケ H-804 を選んだ。白地にモスグリーンで描かれたいちご柄がかわいい。シンプルだがおしゃれなコーヒータイムを演出してくれる。浅煎りのコーヒーとの相性もいい。
後記
エチオピアのコーヒーは生産方法の違いによって 3種類に分けられる(※3)
フォレスト
エチオピアの南西部で自生しているコーヒーの木から収穫されたコーヒー。コーヒーの木はさまざまな種類が混ざり合っている。目的をもって栽培されている農園や農場に比べると、生産量と収穫量は低い。
ガーデン
コーヒー農家で収穫されたコーヒー。日よけ、刈り込み、肥料などの管理がなされている。エチオピアのコーヒー生産は、ガーデン・コーヒーが大部分を占めている。
プランテーション
大規模農場で集中的に栽培されているコーヒー。刈り込みや根覆い、肥料の使用、病害に強い品種の選択などの農法を組織的に行なっている。
※3 出典…ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「エチオピアの生産システム 」133頁
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今回飲んだベレカは、エチオピアのイルガチェフェ地域で生産されたものだが、同じイルガチェフェ地域のゴルボタ・コーヒーについては本ブログの別記事で紹介している。
エチオピア産のゴルポタというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は浅煎り。上品な柑橘系の酸味と、やさしい甘みが特徴のコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.