グアテマラSHBコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中深煎り。焙煎3日目。鮮度もちょうど飲みごろ。カップはノリタケのザビアゴールド。バランスのとれたすっきりした味のコーヒーだった。

グアテマラSHB

グアテマラ・コーヒーSHB

今回いただいたコーヒーは、グアテマラSHB(エスエイチビー)。SHBはコーヒー豆のグレード(等級)。グアテマラでは産地の標高によってコーヒー豆を格付けしている。
 
標高1300m以上がSHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)、1200mから1300mがHB(ハード・ビーン)、900mから1200mがEPW(エクストラ・プライム・ウォッシュド)(※1)

※1 成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版「産地高度によるグレード」グアテマラ,p.9.

グアテマラのコーヒー事情

1750年代に、イエズス会修道士がコーヒーの苗を持ち込んだのが、グアテマラでのコーヒー栽培のはじまりだと、一般的には言われているが、「1747年にはすでに栽培され、飲まれていたという報告もある」(※2)
 
「グアテマラのコーヒーの生産のピークは21世紀に入るころで、国際コーヒー価格が大暴落した2001年のコーヒー危機以降は、多くの生産者がコーヒーから離れ、マカダミアナッツやアボカドの栽培に転じた」(※3)

※2※3 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「グアテマラ」,pp.231-232.

ちなみにコーヒー豆の生産量は世界第10位(※4)

※4 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年5月21日閲覧).

グアテマラ? ガテマラ?

グアテマラは、中央アメリカの北部(メキシコの南)にあるグアテマラ共和国の通称。スペイン語と英語の表記は「Guatemala」。日本では、グアテマラをはじめグァテマラ、ガテマラと呼ばれている。どの表記や呼び方を使っても間違いではない。

豆の特徴

グアテマラSHB|中深煎り

品種はアラビカ種。粒も形もそろっている。中深煎りなので色は黒みを帯びた茶色をしている。焙煎したマスターによると「焙煎三日目なのでドンピシャの飲みごろ」とのこと。これはかなり期待が高まる。

珈家のマスター

グアテマラはコーヒーの「貴婦人」と呼ばれています。

ハンドドリップ

マスターがグアテマラSHBをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中深煎りなので粉もよく膨らむ。ほのかな甘みがただよってきた。

味の感想

グアテマラSHB農園コーヒー

ひとくちめはほのかな甘みを感じた。少し冷めてくると、苦味・コク・フルーティな酸味がバランスよく相まって口の中に広がり、最後は、すっきりした甘みがずっと残った。
 
グアテマラSHB中深煎りの特徴は、すっきりした苦味・すっきりしたコク・すっきりした酸味・すっきりした甘み……。ひとことでいうと「すっきりした」味のコーヒーだ。
 
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ノリタケ ザビアゴールド

ノリタケ ザビアゴールド

カップ&ソーサーは、唐草文様が目を引くノリタケのザビアゴールドを選んだ。宝石のメノウをイメージした重厚さと高級感を兼ね備えたデザインだ。中深煎りや深煎りコーヒーとの相性もいい。

後記

生け花とコーヒー

今回いただいたコーヒーはグアテマラSHB。SHBはグアテマラのコーヒー豆の品質等級だが、生産国ごとに格付けの基準が設けられている。
 
基準は生産国によって異なるが、大別すると「産地の標高」「豆の大きさ」「欠点数」(異物混入率)のみっつ。標高は高いほどグレードが高くなり、大粒の豆ほど高品質とされ、異物の混入が少ないほど上質と評価される。
 
たとえば「豆の大きさ」で等級分けしているタンザニアでは、大きい豆が「AA」、中サイズの豆は「AB」、「エチオピアでは、欠点数の少ない豆から「G1」「G2」「G3」「G4」というように基準が設けられている。

追記|グアテマラのコーヒー豆麻袋

グアテマラのコーヒー豆麻袋

グアテマラから船便で届いたコーヒー生豆。麻袋ひと袋の重さは 35キログラム。グアテマラのコーヒー農園に携わる人たちの思いが麻袋に詰まっている。この生豆を焙煎機に入れてマスターが真心を込めて焙煎する。

焙煎したてのグアテマラ

焙煎したてのグアテマラ

グアテマラを焙煎する様子を見学させていただいた。上の写真は焙煎仕立て、焼き上がったばかりのグアテマラ。焙煎度は中深煎り。香ばしい焦げたようなにおいだ。
 
ちなみに焙煎機は マイスター 2.5 。東京・南千住の名店「カフェバッハ」(※5)の焙煎技術のノウハウとデータを組み込んだ日本製のコーヒー焙煎機。

※5 東京の下町・山谷(台東区日本堤)にある自家焙煎珈琲店の名門。オーナーの田口護(たぐち まもる)氏は日本において自家焙煎のノウハウを確立した第一人者。店の看板でもある「バッハ・ブレンド」は、2000年7月に行なわれた沖縄サミットの晩餐会で提供された。

 
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取材場所

本記事の取材は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)でおこなった。写真及び動画の撮影は珈家のマスターの許可を得たうえで行なった。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.