東ティモール産のコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中煎り。東ティモールのコーヒーを飲むのははじめて。飲んだ味の感想は、酸味・苦味・甘みのバランスがよく、ナッツ系の香ばしい香りが楽しめた。

東ティモールのコーヒー事情

コーヒー豆|東ティモール

東ティモールというと、オーストラリアの上(北)にある小さな島、という程度の認識しかない。ましてやコーヒーが生産されているとは知らなかった。コーヒー事情を調べてみた。出典は『極める 愉しむ 珈琲事典』(※1)。以下、引用・抜粋。

19世紀前半にアラビカ種が伝播するも、貧しさから農薬や化学肥料を使えず、細々と生産。1975年から独立の混乱が続き、コーヒー産業も停滞していたが、日本のNGO(※2)法人ピースウィンズ・ジャパンとパルシックが支援に参加、有機栽培コーヒーが注目を集め、復興の一助となっている。

※1 西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社「東ティモール」273頁

※2 NGOとは「non-governmental organizations」の略語で、非政府組織のこと。貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して取り組む市民団体のことを指すことが多い。

豆の特徴

東ティモールのコーヒー豆|中煎り

豆は大粒で肉厚。楕円形をしている。焙煎度は中煎りなので、薄い茶色をしている。日本の伝統色でいうと「江戸茶」(えどちゃ)や煙草色(たばこいろ)に近い。

生産地

今回いただくコーヒーの生産地は東ティモール民主共和国アイナロ県マウベシ郡ハヒマウ集落の小規模農家で生産・精製処理されたもの。精製方法はウォッシュド。ウォッシュドとは水洗式精製のことで、コーヒーの果実を水に浸けてから精製する方法。
 
コーヒー豆の販売元、セラード珈琲のホームページに商品詳細が載っているので、以下、引用、抜粋して紹介する。

東ティモールのアイナロ県マウベシ郡は標高が高く1300~1700メートルの山間部に位置し、日中の陽射しの強さに比べて朝晩の冷え込みが激しい地域です。年間降雨量も比較的多く、おいしいコーヒーが育つ条件に恵まれています。
 
マウベシで広範囲にコーヒー栽培が始まったのは1960年ごろからと比較的新しく、大規模農園ではなく小規模栽培が主です。
 
マウベシ地域に「マウベシ農業協同組合」略称コカマウ(COCAMAU)が組織され、2007年に有機JAS認証を取得した無農薬・有機栽培(オーガニック)が行なわれています。

栽培品種

栽培品種はハイブリッド・ティモール。「ティモール・ハイブリッド」とも呼ばれる。東ティモールで発見された世界初のハイブリッド種。アラビカ種とカネフォラ種の交配種で、コーヒーの木に致命的な損害を与えるサビ病に強いといわれている。

ハンドドリップ

マスターが東ティモールのコーヒーをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中煎りなので、粉のモコモコ感はないが、きれいにゆっくりふくらんでいく。どんな味に仕上がるのだろうか。期待が高まる。

味の感想

中煎りで焙煎した東ティモール産コーヒー

ひとくちめは香ばしいナッツ系の香りがした。酸味・苦味・甘味のバランスがいい。飲み心地はすっきりしている。温度が冷めてもナッツ系の香ばしさは変わらない。やさしい味というか、ほっとひと息つきたいときに飲みたくなる味だ。
 
ひとことでいうと「香ばしいコーヒー」だった。



無料でコーヒー診断

ノリタケ ハンプシャー プラチナ

ノリタケ ハンプシャー プラチナ

カップ&ソーサーは、ノリタケのハンプシャー プラチナ(HAMPSHIRE PLATINUM)4336。白地にパール調のアクセントカラーが施されたデザインが特徴。優雅なコーヒータイムが楽しめた。

後記

コーヒーと生け花

東ティモールのコーヒー豆生産量は、世界第35位。34位ドミニカ共和国、36位はアンゴラ。コーヒー豆の生産量(2021年)上位50か国は以下のとおり。出典は、グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(※3)

2021年コーヒー豆の生産量
  1. ブラジル
  2. ベトナム
  3. インドネシア
  4. コロンビア
  5. エチオピア
  6. ホンジュラス
  7. ウガンダ
  8. ペルー
  9. インド
  10. グアテマラ
  11. メキシコ
  12. ニカラグア
  13. ラオス
  14. コートジボワール
  15. 中国
  16. コスタリカ
  17. タンザニア
  18. フィリピン
  19. ベネズエラ
  20. コンゴ民主共和国
  21. マダガスカル
  22. パプアニューギニア
  23. ギニア
  24. カメルーン
  25. ケニア
  26. エルサルバドル
  27. タイ
  28. ボリビア
  29. イエメン
  30. ハイチ
  31. ルワンダ
  32. ブルンジ
  33. トーゴ
  34. ドミニカ共和国
  35. 東ティモール
  36. アンゴラ
  37. 中央アフリカ
  38. マラウイ
  39. キューバ
  40. ミャンマー
  41. ジャマイカ
  42. パナマ
  43. ザンビア
  44. スリランカ
  45. エクアドル
  46. マレーシア
  47. 赤道ギニア
  48. プエルトリコ
  49. コンゴ共和国
  50. シエラレオネ

※3 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年2月19日閲覧).

追記

焙煎二日後のコーヒー豆|東ティモール

前回いただいた東ティモールのコーヒーは焙煎した当日、焼きたてのものだったが、二日後に、もう一度、飲んでみた。

味の感想

焙煎二日後の東ティモール・コーヒー

ひとくちめのナッツ系の香ばしさは前回と同じ。酸味・苦味・甘味のバランスも同様。前回(焙煎初日)と比べると、まろやかさと風味が増している。後半は、前回感じなかった甘味が出てきて、飲み終わったあとも甘さが口の中にずっと残った。
 
前回はすっきりした飲み心地だったが、今回(焙煎二日目)は、まろやかな風味と甘さが加わって、複雑な味に変化していた。

あなたの好みのコーヒーを診断




まだ味わったことのないコーヒーと出会える

取材場所

本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.