パナマ・チリキ県バンビート地区にあるカカオ農園で生産されたゲイシャコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店のマスターが浅煎り焙煎したので、ホットとアイスの両方を飲んで味を比べた。

カカオ農園|ゲイシャ

カカオ農園|ゲイシャ

カカオ農園は、ワイン生産者だったイタリア人の農園主が経営している。パナマのゲイシャにほれこんだ農園主が、みずから栽培を手がけたゲイシャは、評価も高い。

豆の特徴

カカオ農園ゲイシャ|浅煎り

ゲイシャは豆の品種名。アラビカ種の一品種。粒も大きく形もそろっている。精製方式はウォッシュド。コーヒーの果実を水に浸けてから精製する方法。水洗式とも呼ばれる。
 
豆の等級は最上位に格付けされている「SHB」(エス・エッチ・ビー)。パナマでは、コーヒー豆は、産地の高度によって格付けされている。標高が高い地域で栽培された豆ほど評価課が高くなる。「SHB」は最上位。
 
浅煎り(シナモンロースト)で焙煎しているので、豆の色は、薄い茶色というか、江戸茶(えどちゃ)に近い。

ハンドドリップ

マスターがハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。浅煎りなので粉のふくらみは弱いが、きれいに、ゆっくりと、均等にふくらんでいく。

ホットコーヒー|味の感想

ゲイシャ|ホットコーヒー

一杯目は、ホットコーヒーでいただいた。まずはひとくち。ゲイシャ特有の柑橘系の香りだ。まろやかな酸味で、ほのかに、ナッツ系の香ばしさも感じる。ひとことでいうと「すきとおるような上品な酸味」が特徴のコーヒーだった。

アイスコーヒー|味の感想

ゲイシャ|アイスコーヒー

二杯目はアイスコーヒーでいただいた。ひとくちめのさわやかな酸味はホットと同じ。柑橘系の香りが鼻から抜けた。すっきり感はホットよりもアイスのほうがある。後半は上品なレモンティーを思わせる風味に変わった。
 
柑橘系の香りは、ホット、アイスとも共通しているが、甘みはホットよりもアイスのほうが強くなっている。ゲイシャはアイスコーヒーで飲んだほうがおいしいかもれしない。

追記

パナマゲイシャ|カカオ農園

1か月後、マスターが再びカカオ農園のゲイシャを焙煎したので、いただいた。前回同様、ゲイシャ特有の柑橘系の香りが鼻に抜ける。パナマ・エスメラルダ農園のゲイシャほどジューシーさはないが、上品な香りが楽しめた。

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取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及び動画の撮影は珈家のマスターの許可を得たうえで行なった。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.