ブラジル産ピーペリー・コーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中煎り。豆は小粒。収穫量が少なく珍重されている。飲んだ感想をひとことでいうとナッツ系の風味が特徴のコーヒーだった。
ピーベリー(PEABERRY)
コーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの実の中には、通常、ふたつの種子(生豆)が入っているが、ときおりひとつしか種子(生豆)が入っていないことがある。これをピーベリーと呼ぶ。豆は小粒で丸型。収穫量が少ないので珍重されている。
『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』(※1)に、ピーベリーについての解説が載っている。以下、引用・抜粋して紹介する。
ピーベリーは[中略]コーヒー豆ではもっとも小さい等級だ(割れた豆は除く)。香りが濃厚だと言われるが、必ずしもそうとは限らない。
ピーベリーのコーヒーの香りを、通常のコーヒーと比べてみるのもおもしろい。大きいコーヒー豆のほうがおいしいコーヒーになるとは限らない。引用元: 『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』(※1)
※1 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「豆の大きさの分類と格付け」40頁
生産地
今回いただくピーベリーの生産地は、ブラジルのミナスジェライス州セラード地域。農園はコンゴーニアス農園。セラード地域は「大規模農園が生産量の90%を占め、ナチュラルで処理」(※2)されている。
ナチュラルとは、コーヒーの実から果肉などを除去する精製方法のひとつ。収穫した実をそのまま天日乾燥(または機械乾燥)させて脱穀する方法。
※2 アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社「ブラジル」113頁
コーヒー豆袋
上の写真は、1万8,000キロの船旅をへて、ブラジルから日本に運ばれてきたピーベリーのコーヒー豆袋。現地でコーヒー栽培に携わっている方々の思いが詰まっている。
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豆の特徴
豆は小粒で丸みを帯びている。形もそろっている。小粒で丸い、というのがピーベリーの特徴でもある。焙煎度は中煎り。豆の色は薄い焦げ茶色。日本の伝統色でいうと、煤竹色(すすたけいろ)に近い。
販売元のセラード珈琲のホームページからピーベリーの商品解説を一部、引用・抜粋して紹介する。
同じ木からピーベリーとフラットビーンズ(※3)を分けてカッピングすると、特長は同じであるもののピーベリーのほうがパワーで勝るとの結果が多く出ております。
カカオフレーバーを中心にキャラメルやキャンディまたはシロップの甘味を感じます。とくに収穫して数か月間の新鮮な時期には蜂蜜の香りが出ることもあります。
今までの実績から見てもブルボン種は毎年安定的に優れた味を出しています。希少なブルボン種から、枝先に5~7パーセントのみに収穫されるピーベリーという希少中の希少商品です。引用元: セラード珈琲
※3 一般的なコーヒー豆のこと。コーヒーの実の種子(生豆)は、通常ふたつが向かい合って入っていて、その面が平たいことからフラットビーン(平豆)と呼ばれる。
ハンドドリップ
マスターがピーベリーをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中煎りなので、粉の膨らみは中深煎りや深煎りほど大きくないが、きれいにゆっくとり膨らんでいく。
味の感想
まずはひとくち。すっきりした飲み心地だ。ほどなくするとナッツ系の風味が出てきた。ヘーゼルナッツを思わせる香りがする。メープルシロップのような甘味もほのに感じる。
ひとことでいうと「ナッツ系の風味が楽しめるコーヒー」だった。
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ノリタケ H-804
カップ&ソーサーは、ノリタケの H-804。白地にモスグリーンで描かれたいちご柄がかわいいシンプルなデザイン。浅煎りや中煎りのすっきりした飲み心地のコーヒーとの相性がいい。
後記
今回いただいたピーベリーは小粒の豆だったが、先日飲んだブラジルの試験栽培品種イバイリ(IBAIRI)というコーヒーもかなり小粒だった。イバイリを飲んだ感想は下記記事で紹介している。
ブラジルの試験栽培品種イバイリ(IBAIRI)というコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。豆の焙煎度は中深煎り。ブラジリアンモカとも呼ばれる。モカ系の酸味と甘味の余韻が長く残るまろやかな味が特徴のコーヒーだった。
取材場所
本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.