ペルーの「天空のコーヒー」(ウルバンバ渓谷)という銘柄のコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中深煎り。飲んだ感想をひとことでいうと、マンゴーラッシーのような香りと紅茶を思わせるような上品な酸味が特徴のコーヒーだった。
天空のコーヒー~ウルバンバ渓谷
天空のコーヒー~ウルバンバ渓谷(TENQOO URUBAMBA VALLE)の生産地は、ペルー北部カハマルカ州サンイグナシオ地区。標高は約1,500メートル。コーヒーは、ミネラル成分を多く含む鳥の糞(ふん)が化石化した肥料を使って有機栽培されている。
銘柄のウルバンバ渓谷は、「ペルー南部の都市クスコおよびマチュピチュの近郊の谷で、標高5000メートルを超える山に囲まれ、ウルバンバ川が流れる。インカ帝国時代の遺跡が点在し、インカの聖なる谷とも呼ばれている」(※1)ことから、「天空のコーヒー」(ウルバンバ渓谷)と名づけられた。
※1 (出典)ウルバンバ‐けいこく【ウルバンバ渓谷】,デジタル大辞泉,JapanKnowledge,https://japanknowledge.com(2023年7月2日閲覧).
豆の特徴
豆は小粒で肉厚。焙煎度は中深煎りなので、色は褐色に近い。日本の伝統色でいうなら、薄い栗色(くりいろ)といったところか。精製方法はウォッシュド。
品種
品種は、ティピカ・カティモール・カトゥーラ・ブルボンなどのアラビカ種。これらの品種は、比較的標高の高い地域での栽培に適しているといわれている。
ハンドドリップ
マスターが「天空のコーヒー」をハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中深煎りなので、粉は、モコモコと均一に膨らんでいく。
味の感想
ひとくちめは、トロピカルフルーツ系の酸味を感じた。マンゴーラッシーのような香りが鼻から抜けた。中深煎りにしてはすっきりした飲み口だ。口あたりもいい。ミルクのようなほのかな甘みも感じる。最後は、紅茶のアールグレーを思わせる風味に変わった。
ひとことでいうと「上品な酸味が楽しめる口あたりのいいコーヒー」だった。
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ノリタケ トレフォリオゴールド
カップ&ソーサーは、ノリタケのトレフォリオゴールド(4945)。幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーが幾何学的なデザインで描かれている。高級感を感じるカップ&ソーサーだ。
後記
ペルーのコーヒー事情を調べた。出典は『新版 THE COFFEE BOOK』(※2)。以下、引用抜粋。
高品質なコーヒーを生産しながらも、基準が不統一という問題に直面するペルー。国内の物流管理がなされていないことが主な原因です。
ただ[中略]新しい産地への政府の投資は継続しています。とくに投資がさかんな北部では、新たなアラビカ種が栽培されています。主な品種はアラビカ種のティピカ、ブルボン、カトゥーラなど。
生産量のおよそ 90パーセントを占めるのは約12万の小規模農園。それぞれ 2ヘクタール前後の敷地で栽培しています。引用元: 『新版 THE COFFEE BOOK』(※2)
※2 アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社「ペルー」120頁
ペルーのコーヒー豆生産量
ペルーのコーヒー豆生産量は、世界第8位(※3)。7位はウガンダ、9位はインド。中南米では、ブラジル、ホンジュラスに続いて第3位。
※3 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年7月2日閲覧).
天空のコーヒーをアイスで
2か月後、マスターが再び天空のコーヒーを中深煎りで焙煎したので、今度は、アイスコーヒーでいただいた。全体的には、雑味のない、すっきりした苦みが楽しめた。
マスターによると、天空のコーヒは、深煎りでもおいしいそうなので、次回は深煎りで焼いてみるとのこと。深煎りで焙煎した天空のコーヒー、どんな味になるのか、楽しみだ。
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取材場所
本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.