コロンビアのキングオブティピカというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中煎り。飲んだ感想は、柑橘系の酸味やハチミツの香りなど味の変化と濃厚な風味が特徴的だった。

キングオブティピカ

コロンビア産コーヒー|キングオブティピカ

キングオブティピカ(king of Typica)は、ウィラ県サン・アルドフォ(San Adolfo)にある高品質のコーヒー栽培をめざしている四つの農園で生産されたティピカ種(※1)のブランド名。

※1 アラビカ種の派生品種。コロンビアで最初に栽培されたのがティピカだが、耐病性が低く、栽培がむずかしいとされる。

豆の特徴

キングオブティピカ|中煎り

豆はやや細長く肉厚。形も比較的そろっている。豆の精製方法は「ウォッシュド」。コーヒーの果実を水に浸けてから精製する方法。「水洗式」とも呼ばれる。
 
中煎りで焙煎されているので、色は薄い焦げ茶色をしている。日本の伝統色でいえば「江戸茶」(えどちゃ)に近い。
 
販売元のセラード珈琲によると、ティピカ種は、すぐれた味わいから世界的に人気の品種だが、「栽培の難しさから姿を消しつつある品種」(※2)だという。

※2 セラード珈琲「コロンビア」king of Typica(https://www.cerrad.shop/view/item/000000000192)(2023年9月14日閲覧).

ハンドドリップ

ハンドドリップ|キングオブティピカ

マスターがハンドドリップする様子を連写した(上の写真)。中煎りだが、焙煎初日なので、粉のふくらみもいい。しゅわ~っと盛りあがりながら、きれいなドーム型にふくらんでいく。

味の感想

キングオブティピカコーヒー

まずはひとくち。柑橘系の酸味が鼻から抜けた。グレープフルーツのような香りだ。ほどなくするとハチミツの香りになった。ライムのような酸味も顔を出してくる。
 
それでいて、あとあじは、ナッツを思わせる風味が口の中に残る。全体的には濃厚。
 
ひとことで言うと「複雑な味が楽しめたコーヒー」だった。



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後記

生け花とコーヒー

コロンビアは、ブラジル、ベトナム、インドネシアに次いで、コーヒー豆生産量は世界4位を誇る(※3)

※3 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年9月14日閲覧).

コロンビアのコーヒー事情について調べた。出典は『新版 THE COFFEE BOOK』(※5)。以下、引用・抜粋。

山々が広がるコロンビアでは多種多様な微気候が形成されるため、ユニークな質のコーヒーが生まれる環境が整っています。栽培はすべてアラビカ種(ティピカやブルボンなど)。伝統的にウォッシュドで生産処理します。
 
コーヒーで生計を立てている人は200万人。ほとんどが小規模農園で働いています。近年ではスペシャルティコーヒー産業が小規模農園と個別に取り引きし、上質な豆により多く支払うことが可能になっています。
 
国産コーヒーの消費も伸びており、生産の約20パーセントが国内で消費されています。

※4 アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社「コロンビア」114頁

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取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.