エチオピア産モカ・コンガG1コーヒーを浅煎りで飲んだ味の感想

エチオピアのイルガチェフェ地方コンガ地区で生産されたモカ・コーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は浅煎り。飲んだ味の感想は、グレープフルーツを思わせる濃厚な酸味とメープルシロップのようなほのかな甘みが特徴的だった。

モカ・コンガ

モカ・コンガの「モカ」とは、エチオピアとイエメンで生産されるコーヒーの総称。かつてイエメンのモカ港から、イエメン産とエチオピア産の豆が混ざった状態で輸出されていたらことから、大きなくくりとして、「モカ」（Mocha）の通称で呼ばれるようになった。
 
「コンガ」は、エチオピアの南部諸民族州に位置するイルガチェフェ地方のコンガ地区で生産されているコーヒー豆のこと。
 
コンガ地区で生産されているコーヒーは、イルガチェフェ地方の中でも高品質なので、「イルガチェフェ」（Yirga Cheffe）とは別ブランドとして「コンガ」（Konga）の名で販売されている。

豆の特徴

豆の等級は「G1」（Grade1）。エチオピアでは、コーヒー豆は欠点数（※１）によって格付けされている。「G1」は最高位。

※１ 欠点数とは、生豆中に混入している不良豆や異物の混入率のこと。欠点豆の混入率が低いほど上位に格付けされる。

豆の精製方法は「ナチュラル」。収穫したコーヒーの実をそのまま乾燥させて脱穀する方法。「乾燥式」とも呼ばれる。品種は在来種。豆の大きさや形は比較的そろっている。
 
焙煎度は浅煎り。色は薄茶色をしている。日本の伝統色でいえば「丁子茶」（ちょうじちゃ）に近い。

ハンドドリップ

マスターが浅煎りモカ・コンガをハンドドリップする様子を連写した（上の写真）。浅煎りなので粉のふくらみは弱いが、ゆっくりしゅわ～っと盛り上がりながら、きれいなドーム型にふくらんでいく。

味の感想

まずはひとくち。香りが強い。グレープフルーツを思わせる濃厚な酸味。このフルーティーな酸味が、エチオピア・モカ系の特徴といわれている。
 
冷めても香りの華やかさは変わらない。まろやなかコクと、メープルシロップを思わせるほのかな甘みも感じる。
 
ひとことで言うと「華やかな香りのコーヒー」だった。



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後記

エチオピアのコーヒー事情について調べた。出典は『珈琲の大辞典』（※２）。以下、引用・抜粋。

エチオピアのコーヒーのフレーバーは種類が豊富で、かんきつ類、ベルガモットやフローラル、砂糖漬けの果物やトロピカルフルーツまである。
 
良質なウォッシュドのコーヒーは、このうえなく優雅で複雑で美味だ。良質なナチュラルのコーヒーはひじょうにフルーティーで、うっとりするほどすばらしく、また独特である。

引用元：『珈琲の大辞典』エチオピア（※２）

※２ 成美堂出版編集部（2015）『珈琲の大辞典』成美堂出版「エチオピア」テイスティングノート、137頁

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取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里（しもまくり）にある自家焙煎珈琲店・珈家（かや）。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。