2022年8月30日。千葉県野田市にある中華料理店・正華楼(せいかろう)へ行った。創業は昭和23年(1948)。70年以上地元で愛され続けている老舗だ。初訪問の今回は赤いチャーシューをふんだんに使ったチャーシューメンと炒飯などを注文。三代目が守る伝統の中華料理に感動した。

初訪問

正華楼|千葉県野田市

正華楼の開店時間は午前11時。人気店ということで10分前に到着。店の前で並ぶ。先客はいない。一番乗りだ。チョットちょっとうれしい。店構えから、どことなく昭和のにおいが伝わってくる。

懐かしのショーケース

懐かしのショーケース

入口の横を見ると、ナント、昔懐かしのガラスのショーケースがある。ラーメン、五目そば、チャーシューメン、うまにそば、チャーハン、八宝菜、肉団子……。おいしそうな食品サンプルが四段にわたって並んでいる。
 
これはもう、どことなく昭和のにおいではなく、昭和そのものだ。昭和31年生まれのボクは、懐かしのショーケースに大興奮。

赤いチャーシューだ~!

食品サンプル|チャーシューメン

よく見ると、ラーメンやチャーシューメンに、赤いチャーシューを使ってるじゃあ~りませんか。赤いチャーシューに、さらに大興奮し、鼻血が出そうになったところで、入口のドアが開き、「いらっしゃいませ」と、店員さんが笑顔で出迎えてくれた。

清潔な店内

店内

壁際のテーブル席に座る。店内は、古さは感じるものの明るくきれいだ。床も磨かれていて清潔感がある。テーブルとイスも同様。過去の経験からいって、こういうお店の料理は大いに期待がもてる。

王道の中華メニュー

正華楼のメニュー

メニューに目を通す。麺類が 22種類。ご飯物が 11種類。スープ類が 2種類。料理類が 11種類。前菜が 3種類。点心が 5種類。その他飲み物が 10種類。
 
うまにそば、肉細切りライス、麻婆豆腐、酢豚、肉団子、海老のチリソース、小籠包、杏仁豆腐……。王道の中華メニューがずらりと並んでいる。ピータンもある。
 
これだけのメニューを見ると、どれを食べようか迷うところだが、ボクの心はすでに決まっている。ガラスショーケースで大興奮した赤いチャーシューをふんだんに使ったチャーシューメンとチャーハン。今日はこれ以外の選択肢はない。
 
しかも麺は自家製麺と書かれている。チャーシューメンへの期待がさらに高まる。
 
そして同伴した仕事の相棒は、五目かた焼きそばを注文。壁の張り紙に「餃子と焼売は 3個から注文できます」とあったので、餃子と焼売を 3つずつお願いした。

今回いただいた料理

焼売

焼売と割り箸

最初に割り箸といっしょにシューマイが運ばれてきた。最近は、町の中華料理店で、シューマイをやっているところはそう多くない。

割り箸

割り箸の袋には、住所と電話番号とともに「正華楼」と屋号が印刷されている。割り箸の袋に屋号が印刷されていると、チョット高級感というか、信頼感というか、そうしたものを感じますね。割り箸からも老舗の心が伝わってくるようだ。

シューマイは正統派の味

シューマイは、かなりおいしい。横浜中華街でも、いろんな店でシューマイを食べたが、正華楼のシューマイもひけをとらない。正統派の味だ。これ、お土産にも喜ばれるんじゃないかな。
 
おいしいシューマイ、正華楼~♪

餃子

餃子

続いて餃子。ギョーザとシューマイは 3個から頼める、ということだったので、ギョーザも 3個にした。ホントはもっと食べたかったんだけど、このあとチャーシューメンとチャーハンがくるので、今回は自重して 3個にした。
 
ギョーザは皮がモチモチ。餡(あん)には旨味がぎっしり詰まっている。ギョーザも三代目が創業当時の味をしっかり守っているのだろう。まさに伝統の逸品。

チャーシューメン

チャーシューメン

チャーシューメンが運ばれてきた。待ってました!「お~、赤いチャーシューだ。ボク、このチャーシューがいちばん好きなんですよ」と、鼻息荒く、感動の気持ちを店員さんに伝えた(店員さん苦笑い)

絶品!赤いチャーシュー

赤いチャーシュー

見てください、正華楼の赤いチャーシューを。どうです、感動しません? 肉はやわらかく、脂身が甘い。まさに妙味。
 
そして麺。自家製麺の麺は細く、スープともよく合っている。スープがこれまた、懐かしの味というか、やさしい味というか、57年前(小学校3年生のとき)、父が横浜中華街に連れて行ってくれて、お店の名前は忘れたが、そのときに食べたチャーシューメンの味に似ている。そのお店のチャーシューも赤かった。
 
世の中にこんなにおいしいものがあるのかと小学3年生のボクはびっくりした。そして、店先に、豚の耳とか、豚の顔が吊されていたのを見て、さらにびっくりした。

チャーハン

チャーハン

チャーシューメンの感動と興奮が冷めやらぬ中、チャーハンが運ばれてきた。チャーハンにも赤いチャーシューがたっぷり使われている。赤いチャーハンだ~。ますます鼻息が荒くなった。
 
ご飯の間から顔をのぞかせている赤いチャーシュー。器の縁に描かれた鳳凰も赤。レンゲも赤。正華楼の赤いチャーハンは食欲も運気も、そして鼻息も上がる。
 
正華楼のチャーハンは、いわゆる、しっとり系。パラパラ系とは一線を画している。といってもボクはパラパラ系のチャーハンも嫌いではない。
 
ボクが子どものころは、中華料理店のチャーハンといえば、しっとり系だった。なので、正華楼の芸術的に丸く盛られたチャーハンには郷愁をそそられる。

チャーハンにはスープ

チャーハンとスープ

チャーハンには中華スープが添えられている。これこれこれですよ、やっぱりチャーハンにはスープ。店によってはチャーハンにスープが付かないところもあるが、チャーハンにスープが付いてこないとボクは心底がっかりする。
 
その昔、クリープを入れないコーヒーなんて……っていうCMがあったが、スープが付いてこないチャーハンなんて……ねぇ。

五目かた焼きそば

五目かた焼きそば

相棒が注文したのは五目かた焼きそば。ここにも赤いチャーシューが載っている。そしてボクの大好きなナルトも。ナルトが健在の店の料理は旨い、というのがボクの持論。しかし正華楼の五目かた焼きそば、どうみても旨そうだ。
 
「これ当たりです」と、相棒が言った。

アイスコーヒーサービス

食った食った、あ~うまかった、ウシ負けた!と言っているところに、ランチタイムサービスです、と、店員さんがアイスコーヒーを持ってきてくれた。アイスコーヒーをいただきながら、料理の余韻にひたった。

正華楼、再訪決定~

正華楼の料理

いやあ、それにしても正華楼、旨かった~。三代目、いい仕事してますね~。三代目は身上をつぶす、とよく言われるが、ところがどっこい、正華楼は、三代目が継いで、ますます商売繁盛、千客万来、門前成市。
 
再訪決定~!

営業情報

正華楼(せいかろう)の住所は千葉県野田市野田312( 地図 )。郵便番号は 278-0037。営業時間は11時から19時半。定休日は木曜日と第一・第三水曜日。電話番号は 047-122-2298。アクセスは、電車だと、東武野田線(東武アーバンパークライン)愛宕(あたご)駅から徒歩約10分。
 
車では、流山街道・千葉銀行野田支店前のT字路から一番街(一方通行)に入って約100メートル。駐車場は、お店を正面に見て右手50メートル先(一番街沿い)と、店の北側20メートルほど先にある(正華楼駐車場の看板がある)。お店のホームページや SNS はない。