メキシコのハニーオアハカ・ペタテドライというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中浅煎り。飲んだ感想をひとことでいうと、柑橘系のすっきりした酸味とハチミツのような甘みが特徴のコーヒーだった。
ハニーオアハカ ペタテドライ
ハニーオアハカ・ペタテドライの生産地は、メキシコ南部のオアハカ州。「ペタテドライ」とは、収穫したコーヒーの実を「ペタテ」(※1)と呼ばれる敷物の上で乾燥させる工程のこと。
ハチミツのような風味になることから「ハニー オアハカ ペタテドライ」(オアハカ地区でペタテドライ製法によって精製されたハニー風味のコーヒー)と名づけられた。
※1 ペタテ(Petate)とは、ヤシの繊維を編んで作る敷物のこと。古代マヤ文明では王族だけが使用できる織物だった。
豆の特徴
豆は肉厚。形もそろっている。焙煎度は中浅煎りなので、薄い茶色をしている。日本の伝統色でいうなら、黄櫨色(はじいろ)・櫨色(はぜいろ)に近い。
豆の等級
メキシコは、生産地の標高でコーヒー豆を三段階(SHG・HG・SD)に格付けしている(※2)。「SHG」は標高1700メートル以上。「HG」は、標高1000メートル以上1700メートル未満。「SD」は、標高1000メートル未満。
今回いただくのは SHB という最上位の豆。
※2 「AL」「PL」「BL」という格付けもある。
品種
品種は、ティピカ・ブルボンなどのアラビカ種。「ティピカ」と「ブルボン」はアラビカ種の二大栽培品種。比較的標高の高い地域で栽培されている。
ハンドドリップ
マスターが「ハニー オアハカ ペタテドライ」をハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中浅煎りなので、粉はゆっくり均一に膨らんでいく。
味の感想
ひとくちめは、柑橘系の酸味を感じた。すっきりした酸味だ。口あたりはやわらかい。ほどなくすると、ナッツ系の香ばしい香りが少し顔を見せ、最後は、ハチミツを思わせる甘みに変わった。
ひとことでいうと「柑橘系のすっきりした酸味とハチミツのような甘みが楽しめるコーヒー」だった。
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ノリタケ ホワイトパレス
カップ&ソーサーは、ノリタケのカーニバル・イエロー。パステルカラーのイエローとホワイトのストライプがなんとも楽しげ。陽気な国・メキシコのコーヒーにふさわしいカップ&ソーサーだ。
コーヒーのお供にマンゴーヨーグルト
今回は、コーヒーのお供にマンゴーヨーグルトをいただいた。マンゴーの黄色とカップ&ソーサーの黄色は相性ピッタリ。マンゴーの酸味と甘み、コーヒーの酸味と甘みがあいまって、コーヒータイムがより楽しめた。
後記
メキシコのコーヒー事情を調べた。出典は『極める 愉しむ 珈琲事典』(※3)。以下、引用抜粋。
1817年から本格的にコーヒー豆の栽培を開始。かつては最大の輸出農産物だったが、1990年代の世界的なコーヒー危機から生産量が低下。
一方、このことをきっかけに、オーガニックコーヒーやフェアトレードコーヒーなどに力を入れるようになり、現在は世界有数の認証コーヒー生産国に。引用元: 『極める 愉しむ 珈琲事典』(※3)
※3 西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社「メキシコ」245頁
メキシコのコーヒー豆生産量
メキシコのコーヒー豆生産量は、世界第11位(※4)。10位はグアテマラ、12位はニカラグア。中南米では、ブラジル・ホンジュラス・ペルー・グアテマラに続いて第5位。
※3 グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年6月3日閲覧).
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取材場所
本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.