インドネシア産のコーヒー・コピルアックを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。焙煎度は中煎り。ジャコウネコの排泄物から集めた世界でもっとも高価なコーヒーとしても知られ、発酵系の独特な香りと複雑な味がした。

コピルアック

コピルアックコーヒー

コピルアックは、熟したコーヒーの実を食べたジャコウネコのふんを集めて作るコーヒーのこと。消化されずに排出された生豆をふんから取り出し、きれいに洗浄して乾燥させる。
 
ジャコウネコの腸内微生物による発酵作用で、独特の風味をもつといわれ、希少価値から珍重され、高値で取り引きされている。
 
コピ・ルアック(Kopi Luwak)はインドネシア語で、「コピ」はコーヒー、「ルアック」はジャコウネコの意。日本では「コピ・ルアック」や「コピ・ルアク」と呼ばれている。別名・ジャコウネコの贈り物。

豆の特徴

コピルアックのコーヒー豆|中煎り

豆は楕円形。一部丸みを帯びたものもまじっている。肉厚。中煎りで焙煎されているのでで薄い焦げ茶色をしている。日本の伝統的な色でいうなら、丁子茶(ちょうじちゃ)や煙草色(たばこいろ)に近い。

ハンドドリップ

マスターがコピルアックをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中煎りなので、深煎りや中深煎りほどのふくらみはないが、きれいにゆっくりとふくらんでいく。

抽出後

コピルアック|抽出後

ハンドドリップを終えて、コーヒーのエキスを抽出したあとのフィルター(上の写真)。粉の表面がすり鉢状にへこんでいる。自分で淹れると(不器用なせいか)なかなかこのようなすり鉢状にならない。

味の感想

コピ・ルアック

まずはひとくち。まろやかだ。酸味・苦味・甘み・コクのバランスがいいという感じではなく、独特な発酵系の風味のせいか、味が複雑。
 
正直、ハワイコナやブルーマウンテンのような高級感のある味は感じなかった。世界でもっとも高価なコーヒーともいわれているようだが、コピ・ルアックは、味を楽しのではなく、希少価値を楽しむものなのかもしれい。
 
ひとことでいうと「発酵系の独特の香りがする」コーヒーだった。



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後記

コーヒーと生け花

ジャコウネコの贈り物などとも称されるコピ・ルアック。一方、動物愛護の観点から虐待だとして非難の声が出ているのもたしかだ。ジェームズ・ホフマンは著書(※1)の中で次のように述べている。以下、引用。

インドネシアの悪徳業者がジャコウネコをわなでつかまえておりに入れ、コーヒーチェリーを無理やり食べさせて虐待するのを助長している。私は、コピ・ルアクを、ほぼあらゆる理由で嫌悪する。
 
このコーヒーは虐待を招き、非倫理的である。コピ・ルアクのように、動物が生産工程に関わるコーヒーは避けるべきであり、こういった卑劣な行為に利するべきではないと強く思う。

※1 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「コピ・ルアク」,p.171.

今回、コピ・ルアックを実際に飲んでみて、正直、味自体がすぐれているとは思わなかった。「世界一か」となると、それは違う。あくまでも希少価値と生産工程の珍しさから高値が付いているにすぎない。
 
価値観の問題だが、個人的にはジェームズ・ホフマン氏の意見に賛同する。コピ・ルアックを飲むのは、最初で最後にしたい。

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今回飲んだコピ・ルアックと同じ産地のインドネシアのマンデリンを飲んだ感想を別記事で紹介している。

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取材場所

本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.