台湾の阿里山(ありさん)で生産されたゲイシャコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中煎り。チョコレートのような甘みとジューシーな味が特徴のコーヒーだった。
ゲイシャ|台湾・阿里山
ゲイシャといえばパナマが有名だが、台湾でコーヒーが生産されているとは知らなかった。ましてやゲイシャが栽培されていたとは驚きだ。
生産地域
今回いただく台湾産ゲイシャ・コーヒーの生産地域は、台湾南部の嘉義県(かぎけん)阿里山(ありさん)。台湾の中でも高品質なコーヒー産地として注目を集めているという。
阿里山のコーヒーについて、『UCC So,Coffee?』(※1)から以下、引用、抜粋して紹介する。
嘉義県の阿里山は、烏龍茶や紅茶の名産地として知られ、標高は900~1300メートルの高地て、一日の寒暖差か大きく、降雨量も多い。ジャマイカのブルーマウンテンに似た豊かな自然環境下にある。
近年では茶を生産してきた農家がコーヒーの栽培にも力を入れ始めており、茶畑と茶畑の間にコーヒーが栽培されている独特の景観が生まれている。現在はティピカやゲイシャ、カツーラなどのアラビカ種を生産している。引用元:阿里山のコーヒー農園
阿里山のコーヒーはお茶と同様に一級品とのこと。これは期待がもてそうだ。
豆の特徴
豆の栽培品種はゲイシャ種。アラビカ種の一品種。名前は、エチオピアのゲイシャという地区に自生していたことに由来する。日本の芸者(げいしゃ)とは無関係。
豆の形はいい。大きさもそろっている。かなり高品質な豆だ。
中煎りで焙煎されているので、豆の色は薄い茶色。日本の伝統色でいうと、丁子茶(ちょうじちゃ)もしくは江戸茶(えどちゃ)に近い。
ハンドドリップ
マスターが台湾阿里山の中煎りゲイシャコーヒーをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。マスターが焙煎したものではなないが、シュワシュワ~っと、均等に、きれいにふくらんでいく。
味の感想
まずはひとくち。チョコレートのような甘みがある。いわゆる「ゲイシャフレーバー」と呼ばれる柑橘系の鼻から抜けるような香りは、それほど感じない。
しばらくすると、甘みに加えて、ほのかな酸味とジューシーさが出てきた。
最後の最後に、舌先にやや苦みが残ったが、なかなかどうして、かなり高品質なコーヒーだった。
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台湾のコーヒー事情
台湾のコーヒー事情を調べた。出典は『極める 愉しむ 珈琲事典』(※2)。以下、引用抜粋。
1885年、清朝時代から始まった台湾のコーヒー栽培。日本統治時代の1930年代に農業政策の一環として生産がさかんになったものの、第二次世界大戦の影響で一時衰退。
近年、再び高品質豆の栽培に力を入れるようになった。とくに茶の名産地として知られる阿里山コーヒーの人気が高い。引用元: 『極める 愉しむ 珈琲事典』(※2)
※2 西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社「台湾」276頁
台湾のコーヒー豆生産量
メキシコのコーヒー豆生産量は、世界第53位(※)。アジアでは、ベトナム・インドネシア・インド・ラオス・中国・フィリピン・タイ・東ティモール・ミャンマー・マレーシアに次いで11位。
※ グローバルノート「コーヒー豆の生産量」(https://www.globalnote.jp/post-1014.html)(2023年9月1日閲覧).
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取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及び動画の撮影は珈家のマスターの許可を得たうえで行なった。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.