パプアニューギニアのコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店で飲んだ。コーヒー豆の等級は「AA」。焙煎度は中深煎り。飲んだ感想は、酸味・苦味・甘みのバランスがよく、芳醇(ほうじゅん)な香りが楽しめた。

パプア・ニューギニアAA

パプア・ニューギニアAA

パプアニューギニアのコーヒーの大半は高原地域で生産されている。大別すると東部高原地域と西部高原地域があり、今回いただくコーヒー豆は、西部高原地域の中心地であるマウントハーゲン付近で生産された高級豆。
 
『珈琲の大辞典』によると、マウントハーゲン一帯は、「『一日で一年の気候を繰り返す』といわれるほど気候の変化に富み、標高が高く冷涼な気候で、降水量が多いという、コーヒー栽培に最適な条件がそろっている」(※1)という。

※1 成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版「パプア・ニューギニア」139頁

これは期待がふくらむ。早く飲んでみたい。

豆の特徴

パプアニューギニアAA|中深煎り

豆は大粒で肉厚。楕円形をしている。焙煎度は中深煎りなので、黒みを帯びている。
 
豆の等級は「AA」。ニューギニアのコーヒー豆は、輸出品の場合、「品質によって上から順に、AA、A、X、PSC、Y と格付けされる。上から三つまでは農園のコーヒー、あとの二つは小規模農園のコーヒーとして格付けされる」(※2)

※2 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「パプアニューギニア」176頁

ハンドドリップ

マスターがニューギニアをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。中深煎りなので、粉のふくらみもきれい。これから自分がいただくコーヒーができあがっていくのをカウンター席で眺めるのも楽しい。

味の感想

ニューギニアAAコーヒー

ひとくちめはまろやかなコクを感じた。しばらくすると、上品な苦味の中に、ほのかな甘みが出てきた。酸味・苦味・甘みのバランスがいい。最後はミルクチョコレートのような甘みに変わった。
 
ひとことでいうと「まろやかなコーヒー」だった。



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ウェッジウッド サンモリッツ

ウェッジウッド サンモリッツ st.moritz

カップ&ソーサーは、英国王室御用達ブランド・ウェッジウッド(WEDGWOOD)のサンモリッツ(st.moritz)。清楚で美しい白を基調とし、プラチナの縁取りと淡いグレーの花模様がなんとも優美。

後記

コーヒーと生け花

パプアニューギニアというと、南太平洋に浮かんでいるニューギニア島の東半分と周辺の島々からなる国で、色鮮やかな極楽鳥(ゴクラクチョウ)がいる、という程度の認識しかないが、コーヒー事情はどうなのか、調べてみた。
 
出典は『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』(※3)。以下、引用・抜粋。

パプアニューギニアで、コーヒーの木が植えられたのは、1890年代と比較的早かったが、当初は商品作物として扱われなかった。1926年、ジャマイカのブルーマウンテン種を栽培する18の農園が設立され、1928年までに生産が本格化した。[中略]
 
今日、95%の生産者は小規模農家で、自給自足農家も多い。ほぼすべてがアラビカ種で、国のコーヒー生産の90%は彼らの働きによるものである。人口の大部分、特に高原地域に暮らす人々のほとんどが、コーヒー生産に携わっている。[中略]
 
コーヒーを産地別に売るようになったのも割合最近の話だが、この国の標高や土壌はコーヒーの品質を上げる大きな可能性を秘めているため、スペシャルティコーヒー業界が最近関心を寄せている。

※3 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「ニューギニア」175-176頁

追記|深煎りニューギニア

深煎りニューギニアAA

後日、マスターが、いつもは中深煎りで焙煎しているニューギニアAAを深煎りで焼いたので、飲ませてもらった。

焙煎した豆の色

深煎りで焙煎したニューギニアのコーヒー豆

深煎りで焙煎した三日後のニューギニアAA。豆は黒光りしている。コーヒーオイルも出ている。

深煎りと中深煎りの豆

ニューギニアAAコーヒー豆|深煎りと中深煎り

上の写真の左側が深煎り。右側が中深煎り。同じニューギニアのコーヒー豆でも焙煎度によって焼き上がりの色がこんなに変わってくる。

ハンドドリップ

ハンドドリップ

今回は深煎りなので、粉もよくふくらむ。ハンドドリップの様子を見るのは、深煎りと中深煎りがいちばん楽しい。

味の感想

コーヒーカップ&ソーサー

中深煎りを飲んだときは、ひとくちめはまろやかなコクを感じたが、深煎りは、香ばしさを感じた。酸味・苦味・甘みのバランスがいい中深煎りに比べて、深煎りは苦味がきわだっている。ガツンとくる苦味ではなく、やわらかな苦味だ。酸味もわずかながら残っている。
 
冷めてくると苦味の中に甘みが出てきた。中深煎りはミルクチョコレートのような甘みだったが、深煎りはダークチョコレートのような甘味みだ。飲み終えたあとも苦味と甘みの心地よい余韻がいつまでも残った。
 
ニューギニアAAは、深煎りと中深煎りのどちらがおいしいかとなると、それは好みの問題なので、どちらともいえない。ただ、ニューギニアAAの個性を十二分に発揮するのは中深煎りのような気がした。

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取材場所

本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真は珈家のカウンター席で撮影させていただいた。

参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・セラード珈琲「天空の森~修道院」(https://www.cerrad.shop/view/item/000000000088?category_page_id=ct34)2023年1月21日閲覧.