2022年8月31日。所用で坂東市へ。道すがら「かき氷」ののぼり旗が立っているお茶屋さんがあった。店名はお茶の石橋園。入口の「抹茶かき氷」ののれんに惹かれて、同僚とふたりで立ち寄った。いただいた千里氷と宇治金時というかき氷は絶品だった。

お茶の石橋園

お茶の石橋園|坂東市沓掛

店に入り、笑顔で出迎えてくれた店員さんに、かき氷を食べに来たことを伝えると、席に案内された。お茶屋さんらしい和の空間だ。落ち着く。

西仁連川

席に座って、窓越しに外を眺める。「かき氷」ののぼり旗が風になびいている。道路の向こう側を流れているのは西仁連川(にしにれがわ)。涼しげな光景だ。い草の手編み円座も風情がある。

かき氷

さて、テープルの上に置かれたかき氷のメニューを見てみると……。
 
昔ながらのメロン・レモン・イチゴ。今風の生マンゴー・ナガノパープル・マイヤーレモン。そのほか、お茶屋のかき氷メニューとして、宇治金時と千里氷(せんりひょう)という二種類のかき氷がある。
 
せっかくお茶屋さんでかき氷をいただくんだからと、ボクは、千里氷、同僚は、宇治金時をお願いした。
 

冷たい緑茶をいただきながら待つこと15分。

かき氷が運ばれてきた。

千里氷

千里氷|お茶の石橋園のかき氷

ボクがいただくのは千里氷(せんりひょう)。氷全体に抹茶と茶葉をとじこめて削り出して作ったというお茶屋さんならではのかき氷だ。氷はふわふわ。二つ仕切りの小皿には、抹茶とほうじ茶、二種類のシロップが入っている。
 
それでは、お点前(てまえ)ちょうだいします。

食べ方は三通り

かき氷|千里氷(せんりひょう)

まずはそのままいただく。スプーンですくって口に含むと、ふわふわの氷が、粉雪のようにあわく消えていく。その瞬間、濃厚な抹茶の香りが口の中いっぱいに広がった。
 
続いて、抹茶のシロップをかけて。シロップをかけた部分が溶けて、くずれ落ちていく。そこをスプーンですくって飲む。抹茶の香りと味がより濃厚になって、うまみが増した感じがする。
 
最後は、ほうじ茶のシロップをかけていただく。シロップで溶けた部分をすくって口に含む。ほうじ茶の香ばしさがいいあんばい。すっきりした味わいだ。
 
千里氷、ほかでは味わえない高級感あふれる和のかき氷だった。

宇治金時

かき氷|宇治金時

こちら(上の写真)は、同僚が頼んだ宇治金時。高級宇治抹茶がたっぷり使われている。こちらも二つ仕切りの小皿に、抹茶とほうじ茶、二種類のシロップが添えられている。
 
昭和の時代、女性に圧倒的に支持されていたかき氷は、透明のシロップをかけた氷水(こおりすい)だった。平成になって、宇治金時が登場し、氷水の人気は下降をたどり、今や氷水は、かき氷界の絶滅危惧種に指定されている。
 
あらためて宇治金時を眺めてみると、姿形がじつに美しい。女性に人気があるのもうなずける。さしずめ宇治金時は、かき氷界のヨン様だ(ヨン様はかなり古いナ)。ヨン様あらため宇治金時は、かき氷界の羽生結弦(はにゅうゆずる)といったところか。

後記

お茶の石橋園のかき氷

通りすがりに、たまたま見つけたお茶の石橋園。お茶屋さんならではのかき氷は絶品だった。来年(2023年)も宇治金時と千里氷を食べに訪れたい。

営業情報

石橋園製茶工場/お茶の石橋園

石橋園製茶工場/お茶の石橋園の住所は、茨城県坂東市沓掛3242-12。「坂東市沓掛」の読み方は「ばんどうし くつかけ」。郵便番号は 306-0515 。場所は、西仁連川(にしにれがわ)に架かる沓掛橋(くつかけばし)のたもと、土浦境線(茨城県道24号)沿いにある( 地図
 
営業時間は、9時から20時。定休日は火曜日。電話番号は 0297-44-2029 。車は店舗の前に駐められる。詳細はホームページで要確認。

再訪|2023年

石橋園|坂東市沓掛

2023年8月3日。2年ぶりに同僚と二人でお茶の石橋園を訪れた。もちろん目的はかき氷。去年食べて感動した「宇治金時」と「千利氷」(せんりひょう)を再びいただいた。

冷茶

冷茶

かき氷を待つ間、ご主人のお母さまと思われる女性が、冷茶を持ってきてくださった。これがなんとも旨い。特別な銘柄のお茶ですか? と、聞いたところ、コップに氷を入れて、そこに熱い緑茶を注いだだけです、とのこと。
 
冷茶には、お母さまのお茶に対する思いと真心が、うまみとなって、溶け込んでいる。

宇治金時

宇治金時|茶の石橋園

最初に宇治金時が運ばれてきた(シロップ付き)。ふわふわのかき氷に高級宇治抹茶がたっぷりかかっている。かき氷の下部には、これまた、たっぷりのあずきが添えられている。

練乳

かき氷に練乳をトッピング

今年はトッピングで練乳もお願いした(無料)。新緑を思わせるような抹茶の緑、栗色のあずき、乳白色の練乳との色合いが、じつに美しい。手をつけるのをためららうほど芸術的なかき氷だ。

千利氷

千利氷|茶の石橋園

続いては千利氷(せんりひょう)。抹茶とほうじ茶のシロップ付き。練乳のトッピングもお願いした(無料)。千利氷は、氷全体に抹茶と茶葉をとじこめて削り出したかき氷で、去年いただいて感動した。

今年も大満足

かき氷|千利氷

口の中に入れた瞬間、ふわふわのかき氷が沫雪のように消え、その瞬間、濃厚な抹茶の香りが口の中いっぱいに広がる。去年の感動がよみがえった。
 
石橋園のかき氷。今年も大満足。また来年も訪れたい。っていうか、今年、もう一回、訪れたい……。