2021年11月13日・土曜日。南越谷のサンシティホール(越谷コミュニティセンター)で行なわれた「村治佳織&村治奏一ギターデュオ・リサイタル」を観に行った。チケットは事前にネットで予約購入。演奏曲は「アルハンブラの思い出」や「愛のロマンス」などアルンコール曲を合わせて全17曲。ギターの音色だけではなく、村治佳織さんの女神のような美しさにも魅了された。

二十数年間、この日が来るのを待っていた。

村治佳織&村治奏一リサイタルチケット

じつは、二十年ほど前にも、村治佳織さんのリサイタルが、この会場(サンシティホール)で行なわれた。ボクは窓口でチケットを予約購入して楽しみにしていたのだが、当日、どうしてもはずせない仕事が入ってしまい、やむなく涙を飲んだ。
 
あれから待ち続けること二十数年――
 
村治佳織さんに逢うべく、今回は、仕事と私用はすべてキャンセルし(といってもキャンセルするような仕事や私用はなかったが)、あらかじめ購入したチケットを手に、会場のサンシティホールに向かった。

会場はサンシティホール

村治佳織&村治奏一リサイタルチケット

13時20分、会場着。入口前の柱に「村治佳織&村治奏一ギターデュオ・リサイタル」の立て看板が立てかけられている。副題は「世界のギター界で活躍する姉弟が紡ぎだすギター・デュオの調べ」。ギターを手にした村治姉弟が背中合わせになってポーズをとった写真が出迎えてくれた。会場(サンシティホール)の控え室には、村治佳織さんがいるのかと思うと、胸が高鳴る。

席に着く

会場

13時30分。開演30分前。トイレを済ませて席に着く。舞台中央には、椅子・譜面台・マイク・アンプが二つずつ並んでいる。席は、1階28列38番。舞台には近くはないが遠くもない。この距離だったら村治佳織さんの演奏姿をはっきり見ることができそうだ。会場は新型コロナ対策として入場者制限をしているので座席はひとつおきになっている。
 
入場時にもらった本日の演奏曲目に目を通す。第1部は、デュオ(村治佳織さんと村治奏一さんとの二重奏)と村治奏一さんのソロ演奏。休憩をはさんで、第2部は村治佳織さんのソロ演奏とデュオ、という構成になっている。
 
14時。場内の照明が落ちた。待ち焦がれた村治佳織さんにいよいよ逢える。

村治佳織&村治奏一ギターデュオ・リサイタル

舞台の左袖から村治佳織さんと弟の奏一さんが登場。場内、割れんばかりの拍手。ボクのボルテージも一気に上がった。マスク着用で声援などの大声は禁止となっているので、歓迎の気持ちを伝えようと、手のひらが腫れるくらい思いっきり拍手をした。

第1部|デュオ

第1部はデュオ(3曲)と村治奏一さんのソロ演奏(3曲)

アルハンブラの思い出
アルハンブラの思い出を演奏する村治佳織さん。映像は今回のリサイタルとは無関係

 
1曲目はデュオで「アルハンブラの思い出」。スペインの作曲家・ギタリストのフランシスコ・タレガがギター独奏のために作った曲で、トレモロ奏法を活用した曲としても名高い。トレモロ奏法といえば村治佳織さんの真骨頂。今回は、弟・奏一さんとの二重奏。音の幅が広がって、姉弟ならではの美しいハーモニーに聴き入った。
 
「アルハンブラの思い出」の演奏を終え、村治佳織さんと奏一さんのあいさつ。じつはこのリサイタルは二年前に行なう予定だったが、コロナ禍によって延期となり、今回に至ったとのことである。村治姉弟にとってもファンにとっても待ちに待ったリサイタルとなった。
 
2曲目は、映画『プライドと偏見』から「夜明け」。「夜明け」は、村治佳織さんのアルバム『CINEMA』の収録曲で、奏一さんと演奏している。3曲目は映画『ニュー・シネマ・パラダイス』から「愛のテーマ」が演奏された。
 
ここで村治佳織さんが舞台袖(下手)に消える。背筋がしゃんとして歩く姿も美しい。じつに優雅。
 
このあと村治奏一さんのソロ演奏になる。

第1部|村治奏一ソロ

1曲目は映画『ノッティングヒルの恋人』から「She」。2曲目は映画『黒いオルフェ』から「フェリシダーヂ」。3曲目は、バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV1004」より「シャコンヌ」。
 
圧巻は「シャコンヌ」。短調・長調・短調と、旋律を変化させながら全身全霊を傾けて演奏する奏一さんのギターの音色に魅了された。演奏終了後、拍手が巻き起こった。
 
第1部はここで終了。20分間の休憩となった。

第2部|村治佳織ソロ

15時、第2部開始。第2部は、村治佳織さんのソロ演奏で始まった。舞台の左袖から村治佳織さんがギターを手に持って登場。黄緑色を基調とした衣装に着替えて出てきた香織さんの艶やかさに、観客は大きな拍手で迎えた。
 
1曲目は、映画『サタディー・ナイト・フィーバー』から「愛はきらめきの中に」。ギターの音色も美しいが、ギターを奏でる村治佳織さんの姿は女神のように美しい。2曲目は村治佳織さん自作のエターナル・ファンタジア「奈良:薬師寺にて」。平成29年(2017)に、奈良・薬師寺の食堂(じきどう)の再建を記念して行なわれた特別コンサート時に披露された曲だ。

愛のロマンス
愛のロマンスを演奏する村治佳織さん。映像は今回のリサイタルとは無関係

 
3曲目は、映画『禁じられた遊び』から「愛のロマンス」。村治佳織さんが作曲したイントロを入れて演奏された。4曲目は、映画『ハウルの動く城』から「人生のメリーゴーランド」。村治佳織さんのソロ演奏はここで終了。あっというまの時間だった。
 
続いて奏一さんをまじえて姉弟デュオの演奏となった。

第2部|デュオ

デュオの1曲目は、アルゼンチンタンゴの名曲「酔いどれたち」(フアン・カルロス・コビアン作曲)。2曲目は「ラ・トランペーラ」。アルゼンチン・タンゴ黄金期(1930年代から1950年代)に活躍した作曲家・アニバル・トロイロの名曲で、場末の喧騒を思わせる軽快で楽しい曲だ。佳織さんと奏一さんの息もピッタリ。二人も楽しそうに演奏している。
 
そして、本日のリサイタルの最後を飾るのは、村治佳織さんのアルバム『ラプソディー・ジャパン』から抜粋した4曲(序章・さくら・ずいずいずっころばし・ふるさと)がメドレーで演奏された。

リサイタル終了

15時50分。リサイタル終了。村治佳織さんと奏一さん、舞台袖にはける。会場の拍手が鳴りやまない。佳織さんと奏一さんが、ギターを手に、再び舞台に戻ってきた。会場の拍手の音がさらに大きくなった。笑顔で拍手に応える村治姉弟。深々とお辞儀をしたあと椅子に座った。

アンコール

アンコールの1曲目は、奏一さんのソロで「虹」。作曲も奏一さん。2曲目は佳織さんのソロで「タンゴ・アン・スカイ」。フランスのクラシックギタリストで作曲家もあるローラン・ディアンスの曲で、佳織さんももリサイタルなどでたびたび演奏している。

カヴァティーナ
カヴァティーナ~村治佳織 official YouTube チャンネルより

 
3曲目は姉弟のデュオで「カヴァティーナ」。イギリス出身の作曲家、スタンリー・マイヤーズの代表曲で、映画『ディア・ハンター』のテーマ曲としても知られている。ボクの大好きな曲でもある。最後に「カヴァティーナ」が聴けるとは感激だ。
 
演奏終了。
 
会場は拍手の嵐。村治佳織さんと奏一さんに関係者からそれぞれ花束が渡された。会場に向かって深々とお辞儀をする村治姉弟。会場の拍手が鳴りやまない。笑顔で拍手に応えながら佳織さんと奏一さん、舞台左袖に消えていく。
 
16時10分。終演。夢のような時間だった――。

後記

村治佳織&村治奏一リサイタル(曲目とチケット)

いやぁ……ホントによかった。憧れの村治佳織さんを間近に見ることができたのはもちろんのこと、弟の村治奏一さんの魂のこもった演奏にも感動した。デュオは姉弟ならではの呼吸と空気感。なんともいえないあたたかみのあるオーラが伝わってきた。
 
村治佳織さん、村治奏一さん、アリガト~!

村治佳織さんの新アルバムを予約した

2021年12月1日に発売される村治佳織さんの新アルバム「ミュージック・ギフト・トゥ」初回限定盤(CD1枚、DVD1枚)を楽天ブックスで予約した。弟の村治奏一さんとのデュオも収録されているようだ。早く聴きたい。

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アルバムが届いた

村治佳織「Music Gift to」

2021年11月30日、予約しておいた村治佳織さんのアルバム「Music Gift to」が、楽天ブックスから届いた。収録曲は全17曲。ボーナス特典として、DVDに、ムーンリバーと人生のメリーゴーランド2曲が収録されている。
 
リサイタルで演奏した「アルハンブラの思い出」「愛のロマンス」「愛はきらめきの中に」「カヴァティーナ」「人生のメリーゴーランド」のほか、ビートルズの「ミッショル」「イエスタデイ」も入っている。
 
リサイタルの思い出がよみがえった。