浅煎りで焙煎したエチオピアのグジゲイシャというコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲で飲んだ。グレープフルーツを思わせる柑橘系のまろやかな酸味が特徴のコーヒーだった。
エチオピア グジ ゲイシャ
今回いただいたコーヒーは、エチオピア・グジ・ゲイシャ。グジ(Guji)というのは地名。エチオピア南部シダモ県のグジ地区。ゲイシャ(※1)はコーヒー豆の品種。
※1 エチオピア原産の栽培品種。収穫量がないので希少。限られた地域でしか栽培されていない。パナマのオークションで脚光を浴び、中南米のコロンビア、コスタリカ、グアテマラでも栽培されるようになった。
コーヒーの銘柄名
コーヒーの銘柄名は、「生産国」のあとに「品質等級」「生産地区」「農園名」「品種」「精製方法」などを組み合わせて表記されることが多い。
ちなみに今回いただいたコーヒーだと、(生産国)エチオピア(生産地区)グジ(品種)ゲイシャ種(農園)ゲレナ農園(精製方法)ナチュラル、といった具合に表記される。
豆の特徴
ケニアやタンザニアなどで栽培されているブルボン種に比べると小粒。浅煎りで焙煎しているので、薄い茶色を帯びている。日本の伝統色でいうと煙草色(たばこいろ)に近い。
エチオピアでは、コーヒー豆を G1(グレード1)から G8(グレード8)の 8段階に等級分けしている。遺物の混入率や形の悪い豆が少ない(欠点数が少ない)ほど等級が高い。ちなみに輸出されるのは G1 から G5 まで。
今回いただく豆の等級は最上位の「G1」。
ハンドドリップ
マスターがグジゲイシャをハンドドリップする様子を YouTube ショート動画に収めた(上の動画)。浅煎りなので、中深煎りや深煎りのような粉のモコモコ感はないが、きれいに均一に膨らんでいく。浅煎りなので淹れ方は技術を要する。マスターの腕の見せどころだ。
味の感想
まずはひとくち。まろやかな酸味だ。香りもいい。ほどなくすると、グレープフルーツを思わせる柑橘系の酸味に変化した。ほのかに、ナッツ系の香ばしさが、ちょこちょこと顔を出してくる。
浅煎りなので、酸味系だが、突出したものではなく、舌をおおうようなまろやかな酸味だ。ほのかにグレープフルーツのようなさっぱりとした酸味のあとに現れるナッツのような風味が印象的だった。
ひとことで言うと「まろやかな酸味が楽しめたコーヒー」だった。
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カップ&ソーサーは、英国王室御用達ブランド・ウェッジウッドのアレクサンドラ・シャンパン(ALEXANDRA CHAMPAGNE)。パール感を帯びた輝きが、優雅なコーヒータイムを演出してくれる。浅煎りのコーヒーとの相性もいい。
後記
エチオピアのコーヒー事情を調べた。出典は『新版 THE COFFEE BOOK』(※2)。以下、引用・抜粋。
エチオピアはしばしばアラビカ種の誕生の地と呼ばれますが、最近の研究では南スーダンもその称号を冠するにふさわしいかもしれないことがわかってきました。
エチオピアで、収穫から輸出までコーヒーの生産に携わる人々は約1500万人にのぼります。コーヒーの木は野生に繁殖しており、生産者の大半が、ひじょうに小規模な自給的農園で、年に数か月の間しか売りません。
近年では、気候変動の影響によって、コーヒーの木のさまざまな野生種が絶滅し、コーヒーの生存の鍵を握っているかもしれない遺伝子が失われています。引用元: 『新版 THE COFFEE BOOK』(※2)
※2 アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社「エチオピア」68頁
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今回飲んだコーヒーは、エチオピアのゲイシャだが、パナマのゲイシャ・コーヒーについては本ブログの別記事で紹介している。
パナマ産ゲイシャコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は浅煎り。カップ&ソーサーはノリタケのアイラプラチナ・シルバー。ゲイシャは、柑橘系の香りが鼻から抜ける上品なコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及びハンドドリップの動画は珈家のマスターの許可を得て撮影した。
参考資料
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.