トミオフクダという銘柄のブラジル産コーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中深煎り。一杯目はホットで、二杯目はアイスコーヒーで、飲み比べた。
トミオフクダ
「トミオフクダ」は、ブラジルの日系二世・トミオフクダ氏が、ブラジルの農園(※1)で、丹精込めて栽培しているコーヒーの銘柄。
※1 トミオフクダ氏の農園(バウ農園)は、東ブラジルに位置するバイーア州シャパーダ・ジアマンチーナにある。景観が美しい地で、「シャパーダ」は、急な崖、「ジアマンチーナ」は、19世紀にこの地で発掘されたダイヤモンドを意味する。
トミオフクダ氏の農園では、栽培・収穫・精選・乾燥・選別・輸出用パッキングまでを一貫管理。品質重視の生産が行なわれている。
豆の特徴
トミオフクダ氏の農園では、「ドライ・オン・ツリー」(※2)と呼ばれる製法で、コーヒー豆を栽培している。
※2 ドライ・オン・ツリー(Dried On Tree)略称「DOT」とは、コーヒーの実(コーヒーチェリー)熟してもあえて収穫しないで、樹上で実がボロボロに乾燥するまで放置する製法。この製法で収穫されたコーヒー豆は、甘みが増し、コクが深くなるといわれている。
豆の品種はアラビカ種ムンドノーボ。ふっくらした豆で粒もそろっている。今回は、中深煎りで焙煎したので、豆の色は濃いめの茶色。日本の伝統色でいうと「黄唐茶/黄枯茶」(きがらちゃ)に近い。
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ハンドドリップ
マスターがトミオフクダをハンドドリップする様子を四枚の写真に収めた。中深煎りなので、豆のふくらみもいい。ドーム型にきれいにふくらんでいく。
ホットコーヒー|味の感想
一杯目はホットで。
まずはひとくち。口あたりはすっきりしている。ほどなくすると、ダークチョコレートのような甘みと、コクが出てきた。全体的にバランスがいい。
繊細な風味
苦みも繊細
甘みも繊細
コクも繊細
ひとことでいうと、和菓子職人がつくる「はさみ菊」を思わせるような、繊細なコーヒーだった。
二杯目はアイスコーヒーで
上のYouTube動画は、ハンドドリップを終えたあと、マスターが、アイスコーヒーを作っている様子です。
アイスコーヒー|味の感想
ホットの口あたりもすっきりしていたが、アイスコーヒーでいただくと、すっきり感に加えて、さわやかな口あたりになる。アイスにしても繊細さはホットと同じ。
飲みやすいのでゴクゴク飲めちゃう。すっきりした苦みが心地いい。
夏、風に吹かれながら木陰で飲みたくなるようなアイスコーヒーだった。
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取材場所
本記事の取材場所は埼玉県越谷市下間久里(しもまくり)にある自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真及び動画の撮影は珈家のマスターの許可を得たうえで行なった。
参考資料
本記事を作成するにあたって、参考にした文献を以下に記す。
・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.
・アネット・モルドヴァ著/丸山健太郎監修(2021)『新版 THE COFFEE BOOK』誠文堂新光社.