越谷市大沢の旧日光街道沿いにある自家焙煎・陽の香珈琲(ひのかコーヒー)。店主が心を込めて入れる香り高い極上のコーヒーを紹介する。

陽の香珈琲

陽の香珈琲|店内

陽の香珈琲では、五種類のコーヒーとアイスコーヒーが提供されている(2025年8月17日現在)

  1. 深煎|ペルー
  2. 中深煎|マンデリン
  3. 中深煎|タンザニア
  4. 中煎|コスタリカ
  5. 浅煎|ブラジル
  6. アイスコーヒー

焙煎機

コーヒー豆焙煎機|マイスター

陽の香珈琲の焙煎機は、店主の師匠でもある日本コーヒー界の重鎮、カフェ・パッハ(東京都台東区)の田口護(たぐちまもる)氏と大和鉄工所が共同開発したマイスター(Meister)
 
店主は相棒の焙煎機を「ぴのこ」と呼んでかわいがっている。

陽の香珈琲

マイスターで焙煎した豆はふっくらとおいしいコーヒーになるんです。


それでは、ぴのこちゃんがじっくりと焼きあげた店主自慢のコーヒーをいただくとしよう。
 
まずは深煎りのペルーから――

深煎|ペルー

ペルー・エルパルゴマウンテン|深煎り

陽の香珈琲で提供しているペルーコーヒーの商品名は「ペルー・エルパルゴマウンテン」。焙煎度は深煎り。
 
「エルパルゴマウンテン」(エルパルゴ山)は、南米・ペルーのアンデス山脈最北端に位置し、コーヒー豆の栽培地として知られている。

陽の香珈琲

苦みの中に上品な甘さもあるのがペルーの特徴です。


パンチのある苦みではなく、かろやかな苦みと、ほのかな甘みが口の中に広がる。深煎りではあるが、まろやかな飲み口のコーヒーだ。

アイスコーヒーも美味

ペルー・エルパルゴマウンテン|アイスコーヒー

夏の時期はアイスコーヒーで飲むのもおすすめ。シュッとしてあとあじはすっきり。ゴクゴク飲める。

中深煎|マンデリン

インドネシア・マンデリン|中深煎

二杯目はインドネシア産のマンデリン。焙煎度は中深煎り。
 
商品名は「インドネシア・マンデリン・タノバタック」。スマトラ島の北部・リントン地区で栽培されている。「タノバタック」とは「民族の大地」の意。
 
ちなみに「マンデリン」という名前は、地名ではなく、北スマトラの部族「マンダイリン族」に由来している。

陽の香珈琲

中深煎りだけど、深煎りのようなパンチも出してみました。


上質な苦みと甘みに加えてマンデリン特有のとろみもしっかりある。冷めてくると甘みが増し、濃厚なビターチョコレートのような風味が楽しめた。
 
このマンデリンは陽の香珈琲でしか味わえない極上の一杯といえる。

中深煎|タンザニア

タンザニア|中深煎り

三杯目は東アフリカのタンザニア。通称キリマンジャロ。焙煎度は中深煎り。
 
商品名は「タンザニアAA・アサンテ」。「アサンテ」は、スワヒリ語で「ありがとう」のこと。「タンザニアAA」の「AA」は品質等級。タンザニアでは大粒の豆ほど高品質とされる。「AA」は最高グレード。
 
苦み・甘み・香り・コクのバランスがいい。店主はタンザニアの特徴を「中庸」(ちゅうよう)と表現した。

陽の香珈琲

タンザニアは、当店のコーヒーの中では、いちばん飲みやすくなっています。


冷めてくるにつれ甘さが増し、飲み終わると、高級ミルクチョコレートのような甘みが口の中に広がった。
 
陽の香珈琲では、迷ったら、タンザニアをおすすめしたい。

中煎|コスタリカ

コスタリカ|中煎り

四杯目は中煎りで焙煎した中米のコスタリカ・コーヒー。
 
商品名は「コスタリカ・グレースハニー」。はちみつのような甘い風味が特徴で、「ハニーコーヒー」とも呼ばれる。「グレース」は、コスタリカ工場の当時の女性社長の名(グレースさん)から名づけられた。

陽の香珈琲

キラキラとした華やかな酸味とメープルシロップのような甘みの世界をお楽しみいただけます。


気品のある香り甘み、上品な酸味がなんとも心地いい。店主のコーヒーに対する思いが余韻としていつまでも口の中に残る至福の一杯だった。

浅煎|ブラジル

ブラジルコーヒー|浅煎り

五杯目はブラジル。焙煎度は浅煎り。
 
商品名は「ブラジル・ウォッシュト」。高品質のコーヒー生産地として知られるブラジル・バイヤ州産のコーヒー豆で、水洗式(ウォッシュト)と呼ばれる方法で精製(生産処理)されている。
 
ブラジルでは収穫されたコーヒーの実は、そのまま自然乾燥させる「ナチュラル」が一般的だが、直射日光のもとで乾燥させるために、コーヒー豆の負担が大きく、未熟豆や異物の混入が多いなどの難点がある。

陽の香珈琲

当店では、ブラジルでは希少性の高い水洗式(ウォッシュト)で精製された良質のコーヒー豆を使っています。


香ばしいナッツの香りと、ほのかな酸味が先にきて、温度が冷めてくると豊かな甘みも顔を出す。終始、上質な香りが楽しめた。

アイスコーヒー

アイスコーヒー

アイスコーヒーは深煎りで焙煎したブラジルとペルーを配合している(深煎りブレンド)。ブラジルとペルーはともにお店で出している豆とは別の銘柄を使用。

陽の香珈琲

まろっとした苦みと甘みをお楽しみいただけます。


すっきりした飲み口で、口あたりはまろやか。あとあじさわやか。
 
思わず「律子さん、律子さん、さ・わ・や・か・律子さん♪」と、口ずさんでしまった。
 
「さわやか律子さん」は、かなり古いナ……。

コーヒー豆販売

コーヒー豆

陽の香珈琲では、コーヒー豆の販売も行なっている(100グラム単位)。2025年7月3日に開店したばかりだが、コーヒー豆を買いに来るお客さまもじわじわと増えている。

水出しアイスコーヒー用パック

水出しアイスコーヒー用パック

夏の時期限定で、水出しアイスコーヒー用パックも販売している。深煎りのペルーとブラジルの二種類。ファンが多く、すぐに売り切れてしまう。

陽の香珈琲

ひとつひとつ手作りのため量産できないので、品切れのさいはご容赦ください。

後記

陽の香珈琲(ひのかコーヒー)の特徴をひとことでいえば「居心地のよさ」
 
先日、「AI に『北越谷で居心地のいい喫茶店』を尋ねたら、陽の香珈琲を教えてくれた」という夫婦が店にやってきた。二人は、終始にこやかにコーヒーを楽しみ、「また絶対来ますね」と、笑顔で帰って行った。
 
居心地のよさはひとえに店主の人柄。心を込めて焙煎したコーヒー豆を愛情こめて愛おしそうにハンドドリップする店主の顔を見るだけでも心が癒される。
 
陽の香珈琲は、コーヒー好きの「たまり場」になっていきそうな予感がする。

備考

記事中の吹出しに入れた陽の香珈琲のロゴは、店主の許可を得たうえで使用した。

営業情報

陽の香珈琲|越谷市大沢

自家焙煎 陽の香珈琲(ひのかコーヒー)の住所は、埼玉県越谷市大沢1-12-12( 地図 )。北越谷駅東口から旧日光街道を大沢橋(越谷)方面に向かって400メートル。営業時間は午前11時から午後5時。定休日は月火水と第三木曜日。駐車場や営業日などの詳細は Instagram で要確認。