インドネシアのバリ島で生産された「神山」(しんざん)というコーヒーを行きつけの自家焙煎珈琲店でいただいた。焙煎度は中煎り。香りが高く、柑橘系の酸味と甘みが楽しめた。

バリ神山

バリ島産神山コーヒー

インドネシアのコーヒーというと、スマトラ島のマンデリンやスラウェシ島のトラジャが有名だが、バリ島もコーヒー産地だということは、あまり知られていない。
 
今回いただいた神山(しんざん)は、バリ島の北東部・バツール山に広がるキンタマーニ高原の指定農園で、生産されている。
 
バツール山は、「神々の住む聖なる山」として、崇められている聖山で、神々の住む聖なる山のふもとで栽培されているコーヒーという意味を込めて、「神山」の名がつけられた。

バリ島のコーヒー事情

スラウェシ島のコーヒー事情について調べた。出典は『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』(※1)。以下、引用抜粋。

バリ島の最大の収入源は観光業だが、雇用の最大の受け皿となっているのは農業だ。この地域では、コーヒーの生産はひじょうに大きな雇用を創出し、コーヒー豆の大半は日本に売られている。

※1 ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社「インドネシア」173頁

バリ島のコーヒー生産は(ある意味)日本が支えているのか。「神山」に親近感がわいてきた。

豆の特徴

中煎りのコーヒー豆|バリ神山

豆の品種はティピカ系。ふっくらとした豆だ。中煎りなので色は薄茶色。日本の伝統的な色でいうなら、丁子茶(ちょうじちゃ)に近い。
 
バリ神山の精製方法は水洗式(ウォッシュド)。天日乾燥されたあと、コーヒーの味を損なう原因となる欠点豆や石などの混入物を手作業で、ていねいに取りのぞかれる。
 
豆の大きさや形が整っているのは、現地の生産者がこうした手間暇をかけたからこそ。
 
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ハンドドリップ

バリ神山コーヒーをハンドドリップ

マスターがハンドドリップする様子を写真に収めた(上の画像)。中煎りなので、粉のふくらみは大きくないが、均等に、ゆっくり、ふくらんでいく。

味の感想

バリ神山コーヒー

まずはひとくち。やさしい香りだ。心が安らぐ。柑橘系の酸味と甘みのバランスがいい。最後は、濃厚なコクと、黒糖を思わせる甘みが口の中に広がった。
 
ほっとひと息入れたいときに飲みたくなる、そんなコーヒーだった。
 
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ノリタケ ジョージアンパレス

ノリタケ・ジョージアンパレス

コーヒーカップ&ソーサーは、ノリタケのジョージアンパレス(4858)。金糸のデザインが、バリ島の民族衣装を思わせる。バリ島に思いをはせながら、優雅なコーヒータイムが過ごせた。

後記

コーヒーと生け花

本記事の取材場所は越谷市下間久里(しもまくり)にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。写真はマスターの許可を得て、珈家のカウンター席で撮影させていただいた。
 
本ブログでは、バリ神山のほか、ロングベリー・ビンタンリマ・トバコ・トラジャなど、珈家で飲んだインドネシアのコーヒーも記事にしている。下記「関連記事」参照。

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参考資料

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

・成美堂出版編集部(2015)『珈琲の大辞典』成美堂出版.
・西東社編集部(2017)『極める 愉しむ 珈琲事典』西東社.
・ジェームズ・ホフマン/丸山健太郎監修(2020)『ビジュアル スペシャルティコーヒー大辞典 2nd Edition』日経ナショナル ジオグラフィック社.