『エモい古語辞典』堀越英美(朝日出版社)を買った。雅(みやび)な古語が満載。語彙(ごい)も増えるので SNS で使うと映える。Instagram と Facebook で反応がよかった活用事例を紹介する。

エモい古語辞典

「エモい古語辞典」堀越英美(朝日出版社)

『エモい古語辞典』堀越英美(朝日出版社)

価格:
1,782円(税込)

優美な古語1654語が収録された古語辞典。美しいイラストも付いているのでパラパラと読むだけでも楽しめる。
 
SNSで「映える」フレーズのイメージソースとして、創作の参考資料として、語彙力でエモさ(※)を増幅させたい。そんな人のための古語辞典です(「内容紹介」より)
 
胸がうずく、心がゆれる表現の宝庫。

※ エモいとは「emotional」(エモーショナル=感情的になっている)の略語。感動や感激を表わす若者言葉として定着している。

使い方

『エモい古語辞典』堀越英美(朝日出版社)

パラパラとページをめくっていくと、目に止まる言葉がある。琴線(きんせんに)に触れる、という感覚だ。
 
まずはその言葉の意味を調べる。続いて、前後・周辺の言葉も見てみる。そうすると、その中で、ビビッとくる言葉があったら、その言葉を使って文章を書いてみる。
 
自分の感覚にしたがって、いい言葉だな、とか、おもしろそう、と思ったら、軽い気持ちで SNS などで使えばいい。無理に使ったり多用すると不自然な表現(文章)になってしまうので要注意。

活用事例

『エモい古語辞典』の活用事例を4例、紹介する。どれも Instagram と Facebook で反応がよかった。投稿時に使った写真はすべて私が撮影した。

黄昏時

「黄昏時」(たそがれどき)という言葉を使って SNS に投稿した。
 
解説…「『誰(た)そ彼(かれ)は」と人の顔が見にくいときという意味。夕方のうす暗いころ。夕暮れどき。(出典)『エモい古語辞典』13頁

SNS投稿例

黄昏時の公園

午後4時。越谷市北後谷の県民健康福祉村にて
 
西の空に日が沈んでいく。
 
黄昏時の冒険広場から、子どもたちの遊んでいる声が聞こえてくるが、薄暗くて顔は見分けられない。
 
今日もいい一日だった。



寄りてこそ
それかとも見めた
たそかれに
ほのぼの見つる
花の夕顔
 
もっと寄って
はっきり見たい。
黄昏時にかすかに見た
夕顔の花のような
あなたの顔を。
 
~『源氏物語』~

木花開耶姫

二事例目。「木花開耶姫」(このはなのさくやひめ)という言葉を使った SNS の投稿例。
 
解説…木花開耶姫(このはなのさくやひめ)は『古事記』『日本書紀』などの日本神話に登場する桜の花が咲いたように美しい女神。木花之佐久夜毘売とも表記される。(出典)『エモい古語辞典』94頁

SNS投稿例

満開の桜

県民健康福祉村の桜は八分咲き。見ごろを迎えた。
 
写真の桜は個人的にいちばん好きな県民健康福祉村の桜。勝手にコノハナノサクヤヒメと名づけた。コノハナノサクヤヒメは日本神話に登場する女神。説明は割愛。
 
妖艶な姿にうっとり……。

旻天

三事例目。「旻天」(びんてん)という言葉を使って SNS に投稿した。
 
解説…旻天(びんてん)とは秋の空の別名。春の空は蒼天(そうてん)、夏の空は昊天(こうてん)、冬の空は上天(じょうてん)といい、これらを総称して四天(してん)という。(出典)『エモい古語辞典』29頁

SNS投稿例

旻天

10月3日。元荒川上空は見渡すかぎりの青空。
 
こういう秋の空を旻天(びんてん)と呼ぶのだろうか。
 
今日も残暑が厳しくなりそうだ。

冬ざれ

四事例目。「冬ざれ」(ふゆざれ)という言葉を使って SNS に投稿した事例。
 
解説…冬ざれとは、草木が枯れてものさびしい冬のようすのこと。俳句では冬の季語。類語に「朽野」(くだらの)=草が枯れはてた冬の野原。(出典)『エモい古語辞典』18頁

SNS投稿例

冬ざれのたんぼ道

12月14日。冬ざれのたんぼ道を歩いた。
 
風が冷たい。
 
あたり一面、草は枯れ、寂寞(せきばく)感がただよっている。
 
冬はこれからが本番
 
いのちあるもの皆眠り冬ざるゝ(能美丹詠)

手元に一冊

『エモい古語辞典』堀越英美(朝日出版社)

『エモい古語辞典』

手元に置いておくと重宝します。