俳句入門者が歳時記を買おうと思って探してみると種類の多さに驚かされる。値段もピンキリ。どれを選んだらいいのか分からない。そこで、私が今でも手元に置いて愛用している初心者向けの歳時記三冊を、それぞれの特徴とともに紹介する。

初心者向けおすすめ歳時記

増補版 俳句歳時記

『増補版いちばんわかりやすい俳句歳時記』(主婦の友社)

一冊目は、『増補版いちばんわかりやすい俳句歳時記』辻桃子・阿部元気著(主婦の友社)
 
その名のとお俳句初心者の目線に立って編さんされた、ひじょうに親切な歳時記。季語の解説だけではなく、季節感や表現方法についてもていねいに説明されているので、俳句入門者でも抵抗なく読み進められる。

おすすめポイント
  • 初心者目線の内容

    はじめて歳時記に触れる初心者にも分かるように季語の分類がていねいで、俳句入門者にとってのハードルが低い構成になっている。

  • +αの知識が充実

    俳句の作り方や鑑賞のポイントなど歳時記としての機能を超えたプラスアルファの知識も充実している。

  • 収録数もじゅうぶん

    収録されている季語は八千、例句は七千七百と、申し分なし。手元に置いておけば気軽に俳句の基礎知識も学べる。

使っている私の感想

収録されているすべての季語に振り仮名がふってあるだけではなく、初心者にはなじみのない漢字の「形」や「部首」からもその季語にたどりつけるよう独自の検索ページが設けられているのはとても役に立っている。
 
はじめて歳時記を買うならこの一冊だ。

ハンディ版 入門歳時記 新版

『ハンディ版 入門歳時記 新版』(角川書店)

二冊目は、『ハンディ版 入門歳時記 新版』大野林火監修/俳句文学館編(角川書店)
 
携帯性にすぐれた俳句入門者向けの歳時記。俳句界で権威のある俳句文学館が編さんしているので、季語の選択や解説は信頼性が高い。ハンディ版のため、カバンやバッグに入れて持ち運びやすいコンパクトなサイズ感も魅力のひとつ。

おすすめポイント
  • コンパクトで軽量

    散歩や旅行など場所を選ばずに外出先で季語を調べられるのが大きな利点。

  • 厳選された収録季語

    基本的な季語を厳選しているため情報量が多すぎず、初心者でも混乱しにくい構成になっている。

  • 用例解説も充実

    季語の用例や解説の質は折り紙付き。初心者でも安心して使える。

使っている私の感想

歳時記は一般的に、各季節(春夏秋冬新年)ごとに「時候」「天文」「地理」「生活」などの項目別に分類されているが、本書では、そうした項目別での分類はされておらず、各季節の中で、季節の推移が理解できるように季語が配列されている。
 
これがこの本のいちばんの特徴であり、また使い勝手のよさである。
 
コンパクトで携行に便利な歳時記を探している初心者にはイチオシ。

合本 俳句歳時記 第五版

『合本 俳句歳時記 第五版』(角川書店)

三冊目は、『合本 俳句歳時記 第五版』角川書店編(角川書店)
 
俳句界の「スタンダード」ともいえる、角川書店の代表的な季節別の歳時記(全五巻)を一冊にまとめたベストセラー本。季語の収録数や用例の質、網羅性は群を抜いている。
 
付録も充実しているので「辞書」としても長く使える。

おすすめポイント
  • 圧倒的な収録数

    圧倒的な収録季語数(七八九六語)と、豊富な用例が最大の魅力。初心者からベテランまで、この一冊があればまず困ることはない。

  • 簡潔な解説

    季語の解説が、ひじょうに簡潔で的確なので、調べ物をするさいの効率がいい。

  • これ一冊ですむ

    合本(がっぽん)なので「春夏秋冬新年」の五つの季節をすべて一冊で調べられる。多少ボリュームがあっても「一冊」ですませたいという方にはこの歳時記一択。

使っている私の感想

私がいちばん役に立っているのは「付録」。行事一覧・忌日一覧・二十四節気七十二候表・助数詞表・文語文法活用表・間違えやすい旧仮名遣いなど、辞書としても活用している。
 
二十四節気略歴には、立春から大寒までの二十四節気の現行暦の日付が、2019年から2038年までまでの20年間分が一覧表示されているので、調べる手間が省けてありがたい。

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