茨城県坂東市岩井の國王神社(こくおうじんじゃ)にある青面金剛像庚申塔と浅間大神文字塔を調べた。調査した二基の石仏・石塔を写真とともにお伝えする。
國王神社
調査したのは 2023年8月21日。まずは國王神社について簡単に触れておく。
伝承によると、創建は平安時代中期・天禄3年(972)。この地方を本拠に関東一円を平定していた平将門の戦死後、将門の三十三回忌に、三女の如蔵尼(にょぞうに)が、将門の木像を刻んで、庵を建てて祀ったのが、國王神社のはじまりとされている。
なんといっても國王神社は茅葺き屋根の社殿が目を引く。
二基の石仏
本殿の西側に、二基の石仏(庚申塔と文字塔)がある。
青面金剛像庚申塔
青面金剛像を主尊とした庚申塔。江戸中期・延享4年(1747)造立。石塔型式は変形駒型。正面に浮き彫りされているのは「日月」「青面金剛像」「邪鬼」「三猿」
日月
この石塔は、駒型の頂点が三角錐になっていて、三角錐の部分が、そり出ている。その両脇、向かって左手に、瑞雲に乗った月、向かって右手に、瑞雲に乗った日(太陽)が陽刻されている。
青面金剛像
青面金剛は一面六臂(いちめんろっぴ=顔がひとつで腕が六本)の合掌型。手の部分が破損しているが、両手で合掌している。持物は、左上手に法輪、左下手に弓。右上手に三叉鉾(さんさほこ)、右下手に矢。
邪鬼と三猿
青面金剛に踏まれているのは邪鬼。邪鬼の顔は妖怪・油すましに似ている。邪鬼の下には三猿。向かって左から言わ猿、聞か猿、見猿。
右側面
右側面の脇銘は「延享四丁卯十月吉日」「上岩井邑」「講中十八人」
左側面
左側面には「奉造立庚申尊像供養」と刻まれている。
浅間大神文字塔
樹木が茂った小山の一画に祀られているのは浅間大神(あさまのおおかみ)。建立年代は不詳。
浅間大神
自然石に「浅間大神」と刻まれて、石塔には、しめ縄が掛けられている。
國王神社には石仏のほかに石碑もあるが、今回は、二基の石仏(庚申塔と文字塔)を紹介するにとどめた。
参拝情報
國王神社の住所は、茨城県坂東市岩井951( 地図 )。郵便番号は 306-0631。場所は岩井バイパスと結城坂東線が交差する「弓田橋南」の南西150メートル。結城坂東線(茨城県道20号)沿い。車は、敷地内の上岩井公民館前に駐められる。
社殿と石仏写真
撮影年月日|2023年8月21日