散歩のみちすがら撮った写真と自作句で綴る11月の私製歳時記
11月(霜月)の散歩歳時記

霜月や散歩の道の色深し(古舟)
冬日和

2025年11月10日・午前9時。北越谷元荒川堤にて
気温18度。風もなくおだやか。桜の葉が色づいてきた。今日はのんびりいくか。
音もなく川は流れぬ冬日和(古舟)
小春日

2025年11月12日・午前8時半。北越谷元荒川堤の河川敷にて
空気が澄んでいる。キラキラ光る川面は鏡のようだ。水辺にいたカモのつがいが、川面をすべるように遠ざかっていった。
小春日の川面にあそぶ光かな(古舟)
紅葉

2025年11月15日・午前9時半。越谷市北後谷の県民健康福祉村にて
ケヤキが色づき始めた。青い空に黄色が映える。この景色を見られただけで今日はもうよしとしよう。
ケヤキの葉紅葉となりて青空へ(古舟)
冬の朝

2025年11月18日・午前9時。越谷市神明町・元荒川緑道にて
曇天の元荒川は、しんとしている。中洲を歩くアオサギも、抜き足差し足。河川敷の色づいた梅の葉が、今朝はなぜかもの悲しい。
曇天の光を待てり冬の朝(古舟)
冬田

2025年11月19日・午前9時。気温10度。越谷市谷中町の田んぼ道にて
日差しもやわらかくおだやか。爆発したガマの穂綿(ほわた)は、毛皮のコートをまとったマリリン・モンローのようだ。稲刈りを終えた田んぼからシラサギが飛び去った。
耕さぬ冬田は空を抱きにけり(古舟)
欅紅葉

2025年11月20日・午前9時。越谷市北後谷の県民健康福祉村にて
朝日浴びケヤキ紅葉の燃ゆる色(古舟)
冬めく

2025年11月23日。越谷市大沢・旧日光街道沿いの自家焙煎 陽の香珈琲(ひのかコーヒー)にて
気温12度。窓の外を行き交う人たちの装いも冬めいてきた。手袋をはめているご婦人、耳当てをしている女児、毛糸の帽子をかぶっているおばあさん、マフラーをしている女子高生……。
冬めくやコーヒー香る陽の香茶屋(古舟)
木の葉散る

2025年11月24日・午前9時半。北越谷元荒川堤にて
桜並木の紅葉は見ごろを過ぎ、木の葉が舞っている。川面からカモたちの鳴き声が聞こえてきた。ゆっくりと、ゆったりと、時間が流れていく。
老人の前をはらりと木の葉散る(古舟)
落葉踏む

2025年11月25日・午前9時。北越谷元荒川堤にて
落ち葉を踏みながら桜並木を歩く。小雨が降ってきた。傘は持っていない。桜に止まった一羽のカラスが、カァ、カァ、カァ、早く帰れと鳴いている。
戻るか……。
小雨降る元荒川で落葉踏む(古舟)
11月の自作句

霜月や散歩の道の色深し
音もなく川は流れぬ冬日和
小春日の川面にあそぶ光かな
ケヤキの葉紅葉となりて青空へ
曇天の光を待てり冬の朝
耕さぬ冬田は空を抱きにけり
朝日浴びケヤキ紅葉の燃ゆる色
冬めくやコーヒー香る陽の香茶屋
老人の前をはらりと木の葉散る
小雨降る元荒川で落葉踏む
(作句)古舟
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